くらしづくりの選択肢

リノベのメリット「仕切りの自由」をもっと楽しもう

リノベの大きなメリットとも言える「住まいを暮らしにフィットさせられる」のは、実は仕切りの在り方を自由に設定できるからなんです。仕切りというと壁のように家の内部を仕切るものですが、床と同じように大きな面積を占めるのでお部屋の印象に関わる大事な要素。気持ちの良い仕切り方にはどんな方法があるのか整理してみませんか?

石膏ボードの壁ーもっともよく使われる仕切り

石膏ボードは硬いが少ない面積に集中して力がかかると弱い性質があるため、写真の中のカウンターのようにものを取り付ける場合は、壁の中に支えとなる下地を入れる。左手の壁の上部のように採光のためのガラスを入れることもできる。

それではもっとも一般的なしきりとも言える「壁」のうち、石膏ボード(またはプラスターボードなど)と呼ばれる素材で作られた壁をみてみましょう。文字通り石膏を板状にした素材で軽くて加工も容易なのに断熱性、遮音性も高いという性質から、壁や天井によく使われます。

石膏ボードの断面の様子。固めた石膏の板に紙が貼られている

継ぎ目のない平滑で大きな面を得られることからEcoDecoのお客様に採用いただくことの多い石膏ボードの塗装仕上げをする流れをみてみましょう。壁紙を貼る場合でも工程は基本的には変わりませんが、壁紙の厚みや模様がボードの継ぎ目やビスの穴をある程度隠してくれる壁紙に対して、塗装の場合は凹凸がわかりやすいので、パテ処理の部分を入念にする分手間がかかります。

石膏ボードで壁を作っているところ。手前にはこれから取り付けていくパネル状の素材が積んである。必要なサイズにカットして、壁を支える構造にビスなどで止めて行く。

パテ処理でボードの継ぎ目を埋めた状態

塗装が終わった状態

その仕切りに何を求めるかを整理してみよう

例えば今ご覧いただいた石膏ボードの壁は、光や人、視線を通さず、音も通しにくい性質のため個室の仕切りによく使われます。基本的には「通さないこと」と主にした仕切りと言えそうです。そして壁をちょっと動かして…ということは特別な機構で作らない限り実現できないので、基本的には「仕切る度合い」は常に一定で、人や光の出入りは仕切りに設けた開口部で行うことになります。以下に整理してみると、

石膏ボードの壁の概要
仕切る要素 仕切る度合い 下地 仕上げ
通さない 常に固定
(調整は窓などの開口で行う)
石膏ボード 塗装
 通しにくい
空気(風や熱) 通しにくい
通さない
視線 通さない

この表にある「下地」「仕上げ」という言葉は設計ではよく使います。一般的な使い方と少しズレがあるように思いますので、脇道に逸れますが補足をさせてください。

仕上げ

表面に見えてくる部分がどう仕上げらえているかを表していて、例えば「壁紙」や「塗装」などが仕上げに該当します。絵画でいうと実際に絵を描いている「絵の具」の部分と言えるでしょうか。
例 塗装仕上げなど

下地

ある仕上げを実現するためには構造的に裏付けらえていないと成立できません。石膏ボードの壁の場合だと、石膏ボードやそれを支える構造の部分をさします。絵画でいうと木枠に布が貼られた「キャンバス」の部分と言えると思います。

この定義を踏まえるとリノベーションでよく使われる「躯体現し(クタイアラワシ)」は「躯体という下地を仕上をせずに現します」という表現がちょっと腑に落ちる気がしませんか?一方でガラスのような素材は枠など固定するものは必要ですが、下地ー仕上げというよりも素材自体でも成立するものもあります。

躯体現しの壁

先ほどみていただいた石膏ボードの壁と違い躯体はその建物の構造なので、コンクリートでしっかりと作られています。好みが分かれるところでもありますが、躯体現しの壁の重厚感のある質感は他のものには代え難い魅力も持っています。

比較的築年数の経った建物の躯体。元々はこの上に下地を組んで、壁や天井を仕上げてあるケースがほとんどなので躯体自体はコンクリートの打ちっ放しのままで、荒々しく迫力がある質感ものも多い。

もともと壁紙を直に張っていた躯体の部分だったので、モルタルで平滑に鳴らしてある躯体の様子。かなりスッキリした印象

稀に「躯体現しって寒く(暑く)ないの?」というご質問をお客様からいただきます。確かに外界の暑さ寒さが伝わりやすい外壁に接した面には注意が必要だと思います。基本的にEcoDecoの設計では外壁面には断熱材を入れているので、下地を組んで塗装仕上げなどにするケースがほとんどです。実際に築年数が浅いマンションだと、外壁面の躯体には断熱材としてウレタンが吹き付けてあり、躯体現しにしようとしても難しいというケースもあります。

比較的築年の浅い建物だとウレタンの断熱材が躯体に吹き付けられているケースも多い。これを現しにするのは機能の上でも見た目の上でもためらいがある。

一方で躯体現しにしているのは隣の住戸との境の壁など、壁の向こうもほぼ自室内と同じくらいの温度であろうと推測される部分なので暑さ寒さが気になる程ではないと考えています。もっとも躯体はコンクリートなので触った時の冷感や視覚的な冷たさはやはりあるので、好みの別れるポイントです。塗装をして躯体の自然な凹凸は活かしつつ視覚的な冷たさを少し和らげたり、デザインの方向性と合わせて躯体現しにするかどうかを検討してみてください。

躯体に白塗装をした様子

躯体現しの壁の概要
仕切る要素 仕切る度合い 下地 仕上げ
通さない 常に固定
(調整は窓などの開口で行う)
躯体
(コンクリート)
そのまま
(塗装も可)
 通しにくい
空気(風や熱) 通しにくい
通さない
視線 通さない

もし居室の真ん中のもともと躯体壁がないところで躯体壁に近い重厚感をお求めの場合は、コンクリートブロックで壁を作るというのも選択肢の一つかもしれません。

透け感のある素材で仕切って、光を通そう

例えばマンションの玄関。部屋に囲まれていて窓がないことも多く、どうしても暗くなりがちです。そこでガラスやポリカーボネートなどの透け感のある素材を仕切りに使うと、暗くなりがちな玄関を明るくすることができます。

格子状の枠に入れたガラスでの仕切り。壁面の下部にあるのは大谷石。

ポリカーボネートの仕切り

この事例の詳細ページ 好きな器を飾りたいリノベーションで実現したギャラリーのような空間

玄関以外でも「光が取り込めるけれども見えすぎない」素材で奥行きを感じさせると広く感じさせるのももちろん有効です。

この事例の詳細ページ 都心派団地マニア家族のコミュニケーションを豊かにするダイニング

光を通す素材での仕切りの概要
仕切る要素 仕切る度合い 下地 仕上げ
通す 素材によるが、常に固定 素材のまま
 通す
空気(風や熱) 通しにくい
通さない
視線 通す

ルーバーで仕切る

この事例の詳細ページ 既存利用でも理想の暮らし!設備を生かして賢くリノベ

ルーバーとは線状の材を隙間を作りながら連続して配置したものです。光と風は常に隙間を行き来できるのですが、視線は人の立つ位置によって向こう側が見えたり見えなかったり変化がある面白い仕切られ方をします。この事例では46㎡とコンパクトなお部屋ながら三方に開口のある抜けのある作りを活かし開放感を最大限に楽しむためにルーバーをご提案しました。

ルーバーでの仕切りの概要
仕切る要素 仕切る度合い 下地 仕上げ
通す 常に固定 素材による
 通す
空気(風や熱) 通す
通さない
視線 通す

仕切りを可動させる

これまでご覧いただいた仕切りは全て、仕切る度合いは常に固定のものです。その度合い自体を時と場合によってコントロールしたい時の選択肢もあります。

例えばこちらの事例では窓側に設けた浴室と寝室の間仕切りにスクリーンを採用し、開放感な浴室を楽しみつつ目線を遮りたいときにはスクリーンで仕切っています。

この事例の詳細ページ 写真家の自邸リノベーション

スクリーンでの仕切りの概要
仕切る要素 仕切る度合い 下地 仕上げ
通す(遮光タイプもあり) 可変 素材による
 通す
空気(風や熱) 通す
可変
視線 可変

こちらの事例では大きな建具で仕切り方を可動させているのですが、かなりの面の大きさなので「動く壁」という印象です。

この事例の詳細ページ外の緑を感じながら美味しいお茶会を—ビフォーアフターとともに—

大きな建具での仕切りの概要
仕切る要素 仕切る度合い 下地 仕上げ
可変 可変 素材による
 可変
空気(風や熱) 可変
可変
視線 可変

仕切りで遊ぼう

仕切りに仕切る機能だけでなく、別の機能を兼ねたり遊びを加えることができるのがリノベーションのいいところ。そんな具体例をみてみましょう。

ホームシアターのスクリーンで仕切る

この事例の詳細ページ  40㎡の住まいにホームシアターを  こだわる男のリラックスハウス

お客様は家にホームシアターがあるという暮らしにずっと憧れていたものの、40㎡というコンパクトな部屋では無理だろうと、半ばあきらめていたそうです。その声を聞き、EcoDecoスタッフが考えて生まれたアイディアが「特注大型スクリーン」。スクリーンを使わない時には寝室も含めたワンルームとして広く使え、人が来た時は目隠しにもなります。

もちろん、ホームシアターとしても、映画を観るだけでなく、スマホの画面を投影したり、YouTubeを流してカラオケを楽しんだりと、フル活用されているご様子です。

ボルダリングの壁

ご夫婦の共通の趣味であるアウトドアから生まれたアイディアがこのボルダリング。色鮮やかな登山グッズとボルダリングのホールドがポップな雰囲気を醸し出しています。折に触れてひょいっとご自宅の壁を上っておられるようです。

この事例の詳細ページ アウトドアな趣味を家の中で!ボルダリング・自転車・登山

もちろん仕切りは厚みも自由に調整できるので、本棚として作ったり収納として機能を持たせることも可能です。

この事例の詳細ページ クリエイティブな二人の、スタイルのある暮らし

この事例の詳細ページ  映画「恋するベーカリー」の世界に魅せられて

まとめ

いかがでしたでしょうか?結構仕切りっていろんな形があるんです。ここでご覧いただいたのは一例ですが、こんな風にEcoDecoスタッフはお客様のご要望を踏まえ、その仕切りにどういう役割や意味を持たせたらそのご要望を実現できるか「ああでもない、こうでもない」と考えながらご提案させていただいています。お客様が暮らし始めて生活の一部に馴染んでしまって仕切りがほとんど意識されなくなっていれば、きっとその仕切りは成功だったのかもしれません。仕切り方を自由に設定できるメリットを活かして、暮らしにフィットした住まいをリノベーションで作ってみませんか?

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EcoDecoのスタッフはほとんどが設計と不動産を兼務しているので、物件の内見の際にその物件の制約を確認つつ、リノベのご要望がその物件でどこまで実現できるのか、ご説明させていただいています。「不動産の取引のことしかわからない担当者と内見しても、結局この物件に手を入れて住む時になにができるのか、わからないので助かりました。」という声をよくいただきます。物件探しのご相談とご提案はもちろん無料ですので、まずはEcoDecoと物件探しをはじめてみませんか?

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