一人暮らし/40〜60㎡
「自分が心地いいと感じる暮らしのために必要なものは何か?」と、一つ一つ向き合い、実現されていかれたS様。土地勘のある都心エリアにこだわって出会った46㎡の空間に女性ならではのこだわりと細やかな工夫がいっぱいです。既存部分を活かす「部分リノベーション」で、コストを抑えながらも感性豊かな空間に変身させ、リノベーション暮らしを謳歌されているご様子を伺ってきました。
自分で購入するなら、少しでも広く感じたい、風を通したいって思っていたんです。 そう思いながらインターネットでいろいろ探していた時にこのルーバーを使った事例を見つけました。それがEcoDecoさんのサイトだったんです。「コレだ!」って思いましたね。それから、サイトを見ながら、イメージを膨らませていきました。
——女性一人で中古マンションを購入してリノベーションをするとなると、勇気や決断が必要だったのではないかと想像するのですが、そこに至るまでに何かきっかけがあったのですか?
S様:たぶん多くの方と同じだと思いますが、賃貸を続けていくのはお金がモッタイナイなって思い始めたことですね。自分のライフスタイルというか、仕事や休日の過ごし方とがだんだん固まってきたので、そろそろ購入してもいいかもって思ったんです。賃貸なら長く家賃を払い続けても何も残らないけど、購入すればその部屋は自分の住まいになるわけでしょ。将来的には売ったり貸したりもできるじゃないですか。そう考えたら、自分がここに住まなくなったとしても、用途の可能性が広がるなって思ったんです。
——確かにそうですね。賃貸は身軽ですが、財産としては残らないですしね。
S様:私の場合ですが、月々のローンの支払額も賃貸の場合と、あまり変わらないんです。今、中古マンションを購入してリノベーションをやってみた感想としては、本当にコスパは良いって思いますよ。こんなに楽しく暮らせるなら、あと4、5年早くすればよかったなって少々後悔もあるぐらいです。
——え! そこまで思われるのですか!?
S様:はい。実際にやってみて思ったことですけど、家を購入するとなると、いろいろ調べますよね。まずエリアは文京区のこの辺りにしようって決めていたので、その中でどんな選択肢があるかって考えたら、エリア内に自分の希望に合う新築って案外少なかったんですよ。あったとしてもワンルームの投資用だったり、広くて贅沢なファミリータイプだったり。それだと私の暮らしには合わないし、価格が高い。とても買えないです。それと、新築でキレイなのもいいのですが、間取り図を見ても「なんか違う、自分らしくない」って思ったり、(新築物件の場合はモデルルーム見学で購入を決めることがほとんどなので)実際のお部屋が見られない場合が多くて、どうしても購入に踏み切れなくて。だったら実際のお部屋を見て決断できる中古マンションを買って、内装を好きに変えられるリノベーションにしようって切り替えました。
——自分のゆずれない思いを大事にしながらもマンションを購入する、となったら、「中古でリノベーション」が、予算と住まいの満足度を両立できる道と思われたんですね。
S様:そうですね。中古も含めると選択肢が広がると思います。最終的にはその中で自分にあう物件が1つあればいいのですから。
——なるほど。たった1件見つかればいいと思えば、ありそうな気がしてきますね。S様は文京区がお好きとおっしゃっていましたが、どんな点が良かったのですか?
S様:通勤や自分の生活パターン考えた時、この辺りはどこに行くにも便利なんです。今までにも新宿区の飯田橋、神楽坂あたりも含めてこのエリアに住んでいたのですが、私にはとにかくこのエリアが住みやすかった。日常的な買い物も便利ですし、特に文京区のエリアは環境も静かで治安もいいです。治安マップを調べたのですが緑色で、犯罪が一番少ないエリアでした。それに高台なので、万が一でも水は来ないし。地面が固いので地震にも強そうです。駅には少し遠いですが、その分、行先に合わせて駅を3つぐらいから選べますし、バス停も目の前です。何年も一人暮らしをしてきた後なので、自分にとって心地いい環境はどんな所かわかっていました。なので、物件を購入するエリアは迷いなく決められました。
——あらゆる状況を想定されていますね。今、住み心地はいいですか?
S様:快適ですよ。文京区は今までにも住んでいたので、新鮮さはないのですが、何より落ち着きますね。もちろん部屋は新鮮ですが、自分がこういう風に暮らしたいって望んでいたことがそのまま形になった部屋だから大きな変化っていう印象ではなく、住み始めたその日から自分が素直に心地いい、と思いながら暮らせていると思います。
——自分が素直に心地いいと思う暮らしを実現するプロセスをご経験されて、いかがでしたか。
S様:細かい部分をどうするか考えたり、友達に図面を見せて意見を聞いたり、けっこう楽しかったです。普段考えないようなこともたくさん考えましたしね。EcoDecoさんに「まず全体イメージを決めてください」と言われた時も、カントリー調は違うなあ、都会的でも無機質なのはイヤだなぁって、望むイメージを探すのは楽しかったです。結局、コンセプトはリゾートにしました。「日常をリゾート風に暮らす」というイメージですね。
——こういう感じの部屋にしていこうというイメージは、どうやって作り上げていったのですか?
S様:それはですね、私は次に住む場所は、風通しのいい明るい部屋がいいなって思っていました。私の場合、部屋数よりは部屋ごとの広さが重要だったので、都心の一人暮らしだとどうしても部屋は1ルームタイプになることが多かったんです。そうなると、窓が1方向のものが多いじゃないですか。前の部屋がそうだったんですが、自分で購入するなら、少しでも広く感じたい、風を通したいって思っていたんです。 そう思いながらインターネットでいろいろ探していた時にこのルーバーを使った事例を見つけました。それがEcoDecoさんのサイトだったんです。「コレだ!」って思いましたね。それから、サイトを見ながら、イメージを膨らませていきました。
▶︎S様の会話に登場したルーバーを使った事例。隣接する緑の借景が家のどこからでも眺められるように、とルーバーの壁を採用した。
——ルーバーがつないだ縁だったのですね!そこからEcoDecoの扉をたたき、一緒に物件を探され、リノベーションへ進んでいかれたのですね。
S様:そうなんです。内装の具体的なことを決めていったのは物件を決めてからです。
——例えばどんなことですか?
S様:46平米という、そんなに広くない部屋をいかに気持ちいい空間にするかという点では、ルーバーを使う案が一番よかった。壁じゃないので、太陽の光も風も通ります。灯りを付けなくても明るいんです。もう一つは収納でした。私、とにかくモノが多いんですよ。なかなか減らせない(笑)。それに、趣味がアウトドアなので、その用具をけっこうたくさん持っているんです。ゴルフバッグ、スキー板、ダイビングの機材、山登りの用具。それらを見えないようにしまえる収納スペースが欲しかったんです。そうして、あの白い壁に見えるところ、あそこを全て収納スペースにしてもらいました。ウォークインクローゼットにする案もありましたが、ウォークするスペースが勿体無いなと思って、壁一面のクローゼットにしていただきました。
——この部屋の雰囲気からは全くわかりませんでしたが、S様はアウトドアな方なのですね。
S様:そうなんです。ここに暮らして1年になりますが、例年どおり満喫しています。今日も午前中、泳いできました。近くにプールがあるんです。休みの日は昔からスポーツやアウトドアに出かけることが多くて。週末や休日も家にいる時間は少ない方なんです。だから部屋も自分のための広さはあまり必要なくて、アウトドア用具たちと一緒に、気持ちよく暮らせることが大事でした。
——自分らしい部屋づくりのオーダーや、設計者からの提案でよかったことを教えてください。
S様:まず本棚ですね。この部屋、窓が多く、壁一面を収納にしたこともあって本棚を置く場所が難しいんです。それでどうしようかとご相談したところ、収納の奥行きを利用して壁に棚を作りつける案を提案していただきました。私の持っている本の数とサイズを調べてくれて、全部収まるように計算して、棚の高さを設定したんです。だから隙間なくキレイに収まったんです。本の量は多いほうですが、存在感なくスッキリ収まったところは気に入ってますね。 あとは、玄関。玄関を入ってリビングに続く廊下の壁を木の板にしてもらったことです。既製のマンションだと壁はたいてい白ですけど、この部屋は玄関から入ってまず目に入るのが木の雰囲気っていうところが気に入ってます。友達からも「マンションなのにこういう雰囲気っていいね」と言われます。
S様:他に提案してもらって、よかったなぁと思っているのは、トイレと洗面所の間の壁をとったことですね。もともとは壁で仕切られていたのですが、それぞれの広さが微妙だったので、いっそのこと壁をなくしてはどうかと提案されたんです。驚きましたが、ホテルライクな雰囲気にできそうだし、広く感じられていいなと思いました。広くなった分、収納スペースも大きくとれて大正解でした。鏡の後ろも含めて一面が収納なんですよ。
——お風呂場はどうされたんですか?
S様:お風呂場は前のオーナーさんが一度リフォームされていてキレイだったので変えてないんです。浴室乾燥をつけてもらったぐらいかな。キッチンもキレイだったので浄水器付きの水栓に変更した以外は変えていないのですが、水回りを大きく改造しなかったことが、コストカットになりましたね。水回りを変えようとしたら費用が大きくなるみたいなんです。私の場合、既存のモノを活かす「部分リノベーション」だから、さっき言ったように「コスパが良い」という結果になったと思います。コストに関しては上限がありましたから、こういう「部分リノベーション」ができたことは良かったと思っています。
——S様はコストカットの意識も高かったと伺っているのですが、他にはどんなところを工夫なさったのでしょう?
S様:いろいろしていますよ。この床もそうです。フローリングをリビングと洗面所と同じものを使っています。床をフロアタイルに変えたりすると職人さんの数が増えるので、料金が倍ぐらいに膨れ上がると伺って。こだわらない部分や既存のままでいい所はできるだけそのまま活かしました。希望を言い出したらキリがないじゃないですか。最初の打ち合わせの際のヒアリングシートには、部屋の広さも気にせずに書きたい放題に書きました。間接照明がほしいとか、素材はコレとか。すると、当たり前ですが予算が全然足りなくて(笑)。そこで何をどう引いていけるか、たくさん提案していただいたんです。選択肢がたくさんあると選べますし、自分からもアイディアが浮かんだりします。ゆずれるものとゆずれないものの優先順位が自分の中で整理されましたね。そうやってコストをかけるところ、かけないところをメリハリつけることができたのです。
——「部分リノベーション」でもここまで雰囲気を変えられるなら「コスパが良い」というのも納得です。コストのかけ具合を自分流にコントロールできることはポイントですね!では、実際に暮らしてみて、どんなところが一番気に入っていますか?
S様:うーん、特にココっていうのはないですね。部分よりも全体を気に入っているんです。自分なりにこだわりたかった部分は実現しましたが、気に入っているのはそれらを一つの統一感をもって仕上げてもらったことです。それぞれがお互いになじんで一貫性がある部屋になった、そういうところかな。木の素材が多く、風通し、太陽の光が多いところ。
——「太陽の光と風通しがよく、木がふんだんに使われているリゾート空間」という統一感。くつろげそうですね。家にいる時は、どこで過ごされていることが多いですか?
S様:リビングかキッチンにいますね。キッチンはとても気に入っています。この物件の決め手でもありました。窓から外の景色を見ながら料理するのがとても心地いいんです。休日に長時間かけてお肉を煮込んだり。一週間分の食事をつくったりして楽しんでいます。あとはテレビっ子なので、リビングでテレビやDVDを見ていますね。
——このテレビ、壁に取り付けてあるんですね。
S様:はい、テレビはここで暮らすために買い換えました。既製のテレビ台って意外と奥行きがあるんですよ。「その奥行きのせいで部屋が狭くなるので壁に取り付けませんか?」とご提案いただき、そうすることにしたんです。この装置、テレビ画面の角度も変えられるようになっているんですよ。コードもこんな風に壁の中に隠してもらったんです。ほら、コードが見えないでしょ?
——だからテレビ周りがスッキリしていたのですね。コードがごちゃごちゃしてない!
S様:コードを隠す壁はご提案いただいたのですが、壁掛けの器具は自分で探しました。リノベーションを決めてから情報を集めましたけど、こういうこと考えるのも楽しかったです。
——生活の変化はありましたか?
S様:そうですね、日常生活はやることは同じなのですがその生活の何気無いワンシーンの質が良くなったと感じますね。ちょっとしたことなのですが、前はワンルームだったので、ごはん作るのも、食べるのも、寝るのも同じ部屋でいっしょくたになっていましたが、ここはゆるい仕切りができてLDKになっています。だから思い切って一枚板のダイニングテーブルも買いました。こんな環境になると私自身もきちんとしたいって自然と思うのか、生活が洗練されていった気はします。友達を呼ぶのも楽しくなりましたし、掃除もマメになったし。
——暮らし全体が磨かれていったって感じですね!
S様:そうですね。この部屋、片付いた状態だとやっぱりいい雰囲気なんですよ。だからいつも片付いた状態をキープしたいと思う気持ちは強くなりました。これ以上、趣味もモノも増やすつもりはないですが、そう言いつつもう少し片付けてスペースができたらワインセラーは置きたいなと思っています。そういった小さな変化をつけながら、ここでの生活を楽しむつもりです。
——興味深いお話しをありがとうございました!仕事をしながらリノベーションをするのは大変だったとおっしゃってはいましたが、全行程を楽しまれていたSさま。リノベーションを迷っている方へのアドバイスをお聞きすると、「こんな部屋にしたい、という思いがあることと、それを担当してくださる方にきちんと伝えること」「持っていく家具、持って行かない家具の整理。サイズの話にになるので」と、実践者ならではの言葉をいただきました。
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