EcoDecoで設計兼リノベーションコーディネーターを務めるokanoです。リノベーション向きの物件探しから設計までをトータルで担当しています。
みなさんが物件探しをするとき、必ず目にするマンション販売図面。EcoDecoのようにリノベーションを前提とした物件探しの専門仲介会社は、その販売図面から「リノベーションでできること」「できないこと」を読み解きながらご紹介しているんです。同じように、これからリノベーションをされる方にも読み解く力を身につけていただけたら!と思い、これから19回に渡って物件を読むコツを伝授していきます。
物件を読むコツとは?
「物件を読むコツ」と書きましたが、「読む」とは「予測する」ということです。
文字を読むように、私たちは図面を読んでいるのです。では、早速一緒に読み解いていきましょう!
3物件の躯体を見比べる
先週末から3件解体の現場を見てきたのですが、
見比べてみると三者三様でなかなか面白いです。
3物件の解体後の画像をご覧ください。
まずは、H様邸の物件。
こちらは1981年9月築で、解体後は
スッキリしていてとてもきれいな躯体です。
そして、N様邸の物件。
こちらは1983年10月築で、最上階の物件です。
最後は、S様邸の物件。
こちらは1970年7月築で、ラーメン構造なのですが、
壁式構造のような躯体壁が出てきた物件です。
それぞれの違い、おわかりでしょうか?
見た感じ全然違いますね〜。
当時の施工方法や物件の位置(最上階なのか、角部屋なのか)、そして、竣工当時の間取りによって解体した後に出てくる躯体の表情は全く異なってきますが、今回は「設備配管」について。3つの写真を見て頂いて、【N様邸の写真】にはタテに通った配管が3本あったと思います。これについてです。
設備配管とはなんぞや?
これは、トイレやキッチン、浴室などの排水を下水道まで流すための管で、「共有配管」といわれるものです。つまり、専有部の室内にありますが、もちろん共用部になるので、勝手に切ったり曲げたりできないものになります。(ちなみに窓サッシも共用部です。)
この管を壁で囲ったのが「パイプスペース(PS)」といわれるものですね。
区分は下記画像のように接続部分で専有部と共有部に分かれます。
物件の販売図面ではどう見える?
この管が通っている場所が中古マンションの「販売図面」ではどうなっているかといいますと、
↓こんな感じです。
柱と同じように黒く塗りつぶされている状態です。
これでは、一般の人は分からないですよね。。。
(ちゃんとPSと表記してある販売図面もありますよ!)
販売図面で「PS」を読むコツ
でも、この「黒い四角」が「PS」だ!と読むコツがあります。
それは、「キッチンやトイレなど水を流す場所に近いこと!」
そして、「柱のように同じ形で同じような位置にないということ!」
言われてみると皆さん納得できると思います。
だって、排水用の配管ですから。
マンションの竣工図で確認すると、ちゃんと配管が入っていることが分かりますが、これを知っていればPSと書かれていなくてもそこがPSだと予測できると思います。
いかがでしたか?
こんな風に、ちょっとしたコツを知ることで、販売図面からリノベーションの可能性を読み解くことができるんです!
次回は、配管についての続きです。
「vol.2:マンションにも快適なバスタイムを!」と題して、窓がないマンションの浴室に光をさすコツをお伝えします。
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