—ビフォーアフターとともに—
一人暮らし/40〜60㎡
角部屋であるこのお部屋を選んだH様邸は、沢山の窓から見える緑で季節を感じられるようなお宅になりました。外とのつながりを大切にしたH様邸。今回はbefore/afterを比べながらご覧いただけます。
—— 早速ですが、今回のお住まい探しはなにかきっかけはあったのでしょうか。
H様:以前一人暮らしもしたのですが、その後はずっと実家にいたので、そろそろ家探しをしようと思っていたんです。でも、すぐに住宅購入を考えていたわけではなかったので、最初は賃貸を探していました。
—— なるほど。賃貸ではなく、住宅購入を考えるようになった理由は何だったのでしょうか?
H様:賃貸だと家賃も高いし、部屋も限られる。何より思うようにやりたいことができないなぁと。それで「じゃあ、買ったらどうだろう」って思ったんです。本当は2、3年後かなと思っていたんですが、今やっちゃおうって。
—— お住まい探しの当初から新築には興味がなかったとのこと。リノベーションしようと考えたきっかけを教えて頂けますか?
H様:新築だと実際の環境や物件を見ずに買えないのが不安に感じて。それに中古物件に手を加えていけるほうが自分らしいなって。実は小学生くらいからインテリアの雑誌を見てて、大学生の頃までは切り抜きをスクラップしてたんです。潜在意識で子供の頃から出来上がった家を買うのではなく、一から家を作りたいと思っていたんでしょうね。リノベーションしようと思ったのは自然な流れでした。
—— お住まい探しをスタートされて、初めて中古物件をご覧になったときは戸惑いはありませんでしたか?
H様:初めて内見したときは、築30年とか見慣れてなくてちょっと無理かなぁ、勇気がいるなぁって思ったんです。でも、2件目くらいから慣れてきました(笑)4件程見て、この物件に決めたんです。ただ、リノベーションで変わるっていうのは分かっていたんですけど、古い室内の状態で購入を決めるっていうのはやっぱり勇気が必要でしたね。一日くらい考えました。
—— この物件を内見された時には、室内に物がたくさん残っている状況でしたね。リノベーションで室内は変えることができるので、窓からの景色や陽当り、周辺環境など変えることができない部分をポイントに見ていただきました。
H様:一戸建てに住み慣れていることもあって、風通しとかを考えると角部屋が良かったんです。この物件は角部屋で窓も多いし、周囲に木々があって視線も気にならない。でも即決はできなくて。内見したあと、改めて周辺環境を見に来ました。室内は見たから、人通りや環境を確かめようと思って。それで、ここがいいかなと感じて、あとはバルコニーの前の桜の木もポイントでした。決め手の2割くらいです(笑)
—— 物件も決まり、いよいよ設計の打ち合わせがスタートしました。その際にお伝えいただいたのは具体的な素材などのご要望ではなく、お部屋の雰囲気のイメージでしたね。
H様: はい。ガーリーな雰囲気ではなく、シンプルで男性っぽい感じでもOKというイメージをお伝えしました。伝えたのは部屋の雰囲気に対するざっくりとした要望でした。「こうしたい」っていう想いがありすぎると、がんじがらめになりそうで。こだわりが強すぎると、提案が限定されて良い案とか意外な案が出てきにくいんじゃないかなって。私は初めての経験だけど、設計士の方はこれまでの経験からたくさんの事を知っているから、ある程度お任せしたほうが良い提案が受けられると思ったんです。
—— ご提案した内容に対して、ご要望やご意見をもらうような進め方をさせて頂きましたが、いかがでしたか?
H様: 実際に3つもプランの提案をしてもらって、すごい!と思いました。中でも室内に段差があるプランがとっても意外でした。あえて段差を作って空間に抑揚をつける。自分だけでは考えつきませんよね。最初から「こうしたい」っていう想いを強く主張しなくて良かったって思う部分ですね。つまづきやすいかなと思って、提案されたときはちょっと考えたんですけど、住んでからもつまづいてないので(笑)
—— 玄関を開けると、目線ほどの高さの白いタイル貼りの壁が印象的なH様邸。壁に沿ってお部屋へ回り込むアプローチが素敵ですね。
H様:この壁、気に入っているんです。お店っぽくて友人からの評判もいいですよ。もう一部屋できるくらいの空間をあえて遠回りさせているので、玄関らしさを感じます。ちょっと贅沢な空間の使い方ですよね。ワンルームの間取りにしたいと思っていたのですが、玄関を開けると室内が丸見えになるのには抵抗があったので、こんな方法があるんだなと。それに絶対にリノベーションでしか叶えられないなって。
—— よくあるワンルームの間取りだと、玄関との境目が曖昧ですよね。仰るように、リノベーションだから実現できたプランだと思います。他にも防犯面でもメリットがあったそうですね?
H様:配達の方がやはり驚かれるみたいで。ちょっとした障壁のようになってます。玄関から室内が見通せないのは、防犯的にも良いんだなと実感しました。一人暮らしなのでより感じますね。
▷インタビューの中に出てきた、お部屋へのアプローチ
▷玄関の窓からも外の街路樹の緑が見える
—— 3.1mのキッチンに2.4mのダイニングテーブルと、お一人暮らしにはとてもゆとりのあるサイズ感のキッチン・ダイニングスペースとなっていますね。
H様:いつかは紅茶教室を開きたいという憧れがあるので、キッチンは重点を置いた部分です。どれくらいの大きさのキッチンが作れるのかとか、カウンターの高さとか結構こだわりましたね。最初のプランではもっとキッチンが大きかったんですよ!さすがに大きすぎるかなと思いましたけど(笑)
—— 最初にお話を伺った時から、紅茶教室への憧れについてのお話は出ていましたね。この大きなキッチンとテーブルがあれば、お茶会を開催する日も近そうです。
H様:キッチンもテーブルも思った通りに出来上がって、広くて使いやすいし満足してます!近々、お友達を招待して紅茶を振る舞いたいなと思ってます。
—— とてもすっきりと暮らされているなぁと感じるのですが、お引越しされてから変化はありましたか?
H様:引越す前は色々と物を揃えようと思っていたのですが、部屋の雰囲気に合わせて物を選定し直すようになりました。これは部屋に合うかなって。そう考えながら選ぶと、必要だと思ってるものは意外と必要じゃなくて、他の物で補えたりするんです。
—— 確かにH様がセレクトされたものは、お部屋の雰囲気ともぴったりですね。全体がシンプルにまとまっている印象を受けます。お引越しされて来客も増えたとのことですが、反応はいかがですか?
H様:どんな部屋になったんだろうって友人たちも興味深々で。今までは人の家に行くことが多かったのですが、人を迎える側になりました。小さなお子さんが来たときには、「こんなお家、見たことない!きれい。また来てもいい?」って気に入ってくれて。小さな子供ってお世辞を言わないからすごく嬉しかったです。できるならもう1件買って、またリノベーションしたいですね!今度は全く違う雰囲気の部屋にしたいなって思ってます。
—— リノベーションの魅力は小さなお子様にも伝わるんですね!もう1部屋リノベーションしたいと思われるほど、H様にご満足いただけて嬉しいです。本日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
▷玄関にあるサービスルーム(平面図上はStrageと表記)
▷洗面台も造作した。シンプルながらしっかり収納がある
3方向の窓から風が心地良く抜け、その窓越しに見える緑が魅力的なH様邸。この部屋が持っている空間の特徴とH様のご要望を照らし合わせ、「シンプル」で「各部屋が緩やかにつながった一つの空間」の中で、「外の緑」を感じながら暮らせる空間を作りました。
部屋全体としては、大きな壁を作らず床の段差や天井の高さに変化を与えることで、緩やかにゾーニングされ、それぞれの場所に対応したスケール感をもたらす、変化に富んだワンルーム空間となっています。窓の外に広がる緑をより直接的に感じる仕掛けとして、窓枠やカーテンレールが見えないディティールにしています。また、扉やキッチン家具にあまり使われることのないラーチ合板を、ダイニングテーブルにリノリウムを使用し、空間にアクセントを効かせました。シンプルな空間といくつかの個性ある素材が混じり合って、お互いを引き立てるような心地良い空間が出来上がりました。このお住まいで、楽しく穏やかな暮らしをしていただければと思います。
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