住居者構成 : ファミリー

面積 : 61〜70㎡

ペットと暮らす

4匹のねこたちと暮らす家

飲み友達がたくさんいる街、阿波踊りが見られる街、高円寺。このエリアの駅近物件にこだわって、2年半もの間物件を探し続けたN様ご夫妻の事例です。ご夫妻と1歳の息子さんと猫4匹という、猫の方が人間より多いこの一家が目指したリノベーションは、猫に関するご要望がほとんどでした。

Profile
N様邸@高円寺
30代ご夫婦+お子様/67.40㎡/工事費約900万円(支給品込み)/2015年11月竣工

BEFORE→AFTERの平面図はこちらでご覧頂けます。

住み慣れた街だから「高円寺」にこだわった

インタビュー

——物件探しが大変だったそうですね。

ご主人:そうなんです。3000万円くらいまでの予算で、高円寺駅から徒歩圏内の駅近で探していたのですが、高円寺は一度住むと住みついている人が多く、あまり新しい物件が出てこないエリアで・・・。だから「いい物件がなかなか見つからない」ではなく、本当に「物件自体がない」状態がしばらく続きました。物件を探し始めて2年半、ようやく売りに出たのがこの物件でした。だから、物件が出たその日のうちに内覧し、一番に購入を決めました。南向きの窓が1つしかないのでちょっと暗いとか、部屋の形が縦長のL字型で廊下が長いため、その分部屋のスペースがちょっと狭いなど、気になるところはありました。でも、今回を逃すと、次に物件が出るのはいつになるかわかりませんし、何より駅近の割には値段が相場より安かったというのが魅力で、購入しました。

——「大満足」という感じの物件ではないけれど決めた、という感じですね。

ご主人:高円寺徒歩圏内と予算は絶対条件で、ここでそれを満たす物件は、そうそう出そうにありませんでしたからね。高円寺にこだわった理由は、ここに友達が多いから。私たち夫婦はお酒が好きで、この辺りに飲み友達が多いので、今さら高円寺以外のエリアに住もうという気にはなれなくて。特に妻は、学生の頃からこの高円寺にいるので、離れたくないという思いが強かったですね。

奥様:それに、生活しやすい街なんですよね、ここは。自転車がなくても、何をするにも事足りてしまうし、大通りに面していないので、子どもや猫がちょっとくらい飛び出しても大丈夫そうな道が多いし。それから、高円寺では毎年夏に駅前の大通りで阿波踊りをやっていますからね。

——阿波踊りもこだわりのポイントなんですか?

ご主人:阿波踊りは結構キーです(笑)。踊りはできないのですが、私は徳島出身なので。だから本当は、目の前で阿波踊りが見られる大通り沿いのマンションを狙っていました。でも、なかなか物件が出ないし、あったとしても値段が高い。この辺は、2000年以降に建ったマンションだと、新築でなくても高額ですから。そうなると予算的に、買ったマンションをそのまま使うしかない。でもどうせ買うなら、あたりさわりのない建具、金具、スイッチ、壁紙で暮らしたくないと思っていました。それもあって、新築は全く考えていませんでした。

奥様:もし新築を買っても、壁紙を全部引っぺがして変えちゃったかもしれません(笑)

——新築でもリノベーション?!お2人は、住まいに対してこだわりをお持ちのようですね。

ご主人:そうなのかもしれませんね。私はインテリアのオリジナル製造販売、内装、空間デザインもやっている家具メーカーで働いていますし、妻も以前はグラフィックデザインの仕事をしていたので、自分のスタイルが他の人よりは強いかもしれません。

猫に適した家にした

猫アート

——設計を担当した岡野は、N様の元同僚でしたよね。N様は職業柄、色々な設計士の方をご存知だと思うのですが、EcoDecoにご依頼いただいた理由は何ですか?

ご主人:せっかくマンションを買うので、自分が知っていて、安心できる人にお願いしたいと思っていました。その点、岡野さんは仕事に対してまじめな方なので、信頼していました。しかもとても柔軟で、色々な要望を汲み上げることができる方ですし。年齢も私と近いので、お願いもしやすかったです。あとは、岡野さんがペットを飼っている家を何件もリノベーションされていることを知っていたので、「猫を飼う人の気持ちがわかってくれるはず!」と思い、お願いしました。

——猫を飼う人の気持ちがわかるというのは、例えばどんなことですか?

ご主人:猫はトイレの匂いがきつい、抜け毛がすごいといった猫特有の問題があって、意外に部屋が汚れることが多いです。それをクリアできるような間取りにしたい、と思っていました。

奥様:私は「猫がいるから部屋が汚くなるのは仕方がない」というのが嫌だったんです。だから、いろいろな対応策を岡野さんに考えていただきました。

——この家には、そんなに猫に関する要望が詰まっているのですか?

奥様:はい。我が家の要望はほとんど猫に関するものです(笑)。「猫に適した家にした」と言っても過言ではありませんね。子どもは成長していくのでよいのですが、猫独特の問題の部分はずっと変わりませんからね。

猫ドア

▶︎廊下とLDKの間のドアには、特製の小さな猫ドアをつけた。

——猫の要望というと、例えば?

ご主人:例えば、ドアについては、廊下からリビングに入る扉に猫専用の猫扉を設けています。フローリングは最初、細い板をVの字に貼っていく「ヘリンボーン貼りがいい」と言っていたのですが、ヘリンボーンは幅が細いので目地が多くなり猫の毛や嘔吐が詰まりやすいとアドバイスをいただき、普通の貼り方になりました。また、猫が嘔吐をした時に掃除しやすいように、ウレタンコーティングされたものを選びました。本当はオイルの方が雰囲気はよいのですが、水分が染み込んでしまうので、ここは実用性で選びました。

——結構細かな配慮が必要なんですね。

ご主人:猫ってそうなんです。あとは匂いですね。以前の住まいは、玄関の扉を開けたらすぐにキッチンがある昔ながらの間取りで、猫のトイレはLDKに置いていました。そうすると、猫のトイレの匂いがLDKに充満して、いつも気になっていたのです。それを何とかしたいと岡野さんにご相談したところ、リビングとは別のところにある脱衣所に猫のトイレを置くことにしました。ここなら窓もあって気軽に換気もできますし、さらに猫のトイレの上には専用の換気扇をつけることで、リビングに匂いが来ないように計画していただきました。

猫トイレ

奥様:脱衣所なら、家族しか使わないので少しくらい匂うことがあったとしても問題ないし、もし泊まりに来た人がいたら、この辺はたくさん銭湯があるので、「うちのお風呂ではなく銭湯を使ってもらえばいいよね」と話しています。

——「匂い」とおっしゃいましたが、今リビングにいても全然気になりませんね。猫が4匹もいるということすら、言われないとわからないです。一方で、人間向けの要望としては、どのような点があったのですか?

ご主人:人間向けの要望としては、LDKを広くする、造作家具を作らない、ということくらいですね。とにかく内装はシンプルに仕上げたいと岡野さんにはお伝えしました。LDKはもともと2部屋だったのですが、壁をぶち抜いて1つの部屋にしました。日当たりが悪いので、部屋を広々と使い、南向きの窓からの明かりが少しでも入るようにしていただきました。

奥様:部屋の中が暗いので、岡野さんにアドバイスをいただきながら、照明の数も増やしました。

いつもお気に入りの家具を使いたいから、造作家具は作らない

ダイニング

——「造作家具を作らない」というのはどういうことでしょう?

奥様:作り付けの収納にして、一生同じ物を使うというのが嫌なんです。その時々に気に入った家具を買って、その家具がいらなくなったら、買い替えて雰囲気も変えるという方が、気分転換にもなっていいなと思っています。ちなみに、うちで、唯一作っていただいた収納は、トイレにあるトイレットペーパーなどをしまう収納だけです。内装はシンプルに、あとは自分達で、購入したり、自分達で作ったりしました。子供や猫がものを出しますし、猫の毛がいろいろな物につくので収納は全て扉付きです。猫の毛とは毎日が戦いです!

——お2人の要望を受けて、岡野から提案されたプランはいかがでしたか?

ご主人:構造上、間取りはあまり変えられないということでしたが、最初の段階からトイレの位置やキッチンの向きなどいろいろなパターンを考えてくださっていたので、私たちはその中から選ぶだけでした。こちらで色々考える必要がなく、とてもありがたかったです。いただいたプランの中から、リビングの壁を抜くのは大前提として、キッチンはリビングの子どもの様子を俯瞰できるような向き、猫のトイレは脱衣場に置かれていた今の間取りのプランを選びました。

夏は涼しく、冬は暖かい家の秘訣

——実際に住んでみていかがですか?

ご主人:住み始めて7か月が経ちますが、もういいことづくしです。日当たりとベランダの広さだけは以前の家の方がよかったですが、それでも前の住まいと比べると、居心地のよさはもう雲泥の差です。あ、でも日当たりが悪いおかげで夏でも涼しいです。良いのか悪いのかわかりませんが。窓を開ければ、エアコンをつけなくても過ごせます(苦笑)。猫も、この夏はそんなにつらくなさそうです。逆に冬はどうかといえば、これが暖かいのです。妻が寒がりなので、寒さ対策で窓は二重サッシにしたのですが、そのおかげで冬の朝起きて、暖房をつけなくてもそんなに寒くないです。前の住まいが古くて冬がとても寒かったので、これはもう涙が出るほど感激しましたね。

——二重サッシの効果はすごいですね。

ご主人:作ってよかったです。元々ある窓サッシの窓枠を加工してもらって、室内側にもう一つ窓を設置するイメージです。加工した窓枠が飛び出過ぎないように壁の厚さを調整することも選択肢としてあったのですが、その分部屋は狭くなってしまうため、あえて窓枠が飛び出すデザインにして、そこに窓をはめ込んでいます。

お気に入りのサブウェイセラミック

洗面台

——家の中で一番気に入っているところはどこですか?

ご主人:私は洗面台です。洗面台は岡野さんのご提案で、脱衣所とは別にして、廊下に扉もなくオープンな形に配置しています。壁と天井の塗装や棚づくりをDIYしたり、キッチンの流し台をIKEAにしたり、なるべくコストをかけず、実用面重視のリノベ―ションですが、「どうせ目立つなら好みのデザインにしよう」と、ここだけはタイルや水栓金具にこだわって、一番お金をかけました。タイルは「サブウェイセラミック」というニューヨークの地下鉄で使われているタイルを使いました。フラットなものと意匠性のあるコーナー材の2タイプのタイルを使って、見た目に少し抑揚をつけています。ちなみに、シンクは値頃なSKシンクです。

寝室

奥様:私は室内の梁に取り付けたバーです。ベランダが狭く、日当たりも悪いので洗濯物が乾かないと思い、リビングの梁2か所と寝室につけていただいたのですが、このバーが結構優れものです。(ご主人、大きくうなずく)。洗濯物はもちろん、コートやカバン、なんでも吊るしてしまいます。子どもや猫が床にあるものをなんでも取り出したり、汚したりするので、かごを吊るしてリモコンなどの小物もポンっと入れて使っています。実はゴミ箱用の籠も吊るしています。あまりにも使い勝手がいいので、玄関にもバーを設置しました。私達はお酒が好きでよく飲み歩くのですが、冬にコートを着て焼鳥屋さんに行くと、コートがものすごく匂うんです。そんな時、まずは玄関のバーに一晩かけて匂いを落ち着かせて、それからクローゼットにしまうようにしています。寝室のバーには、朝起きたら毎日布団をかけています。猫が布団の上で嘔吐した時、洗って干しても夜までに乾かず、寒い思いをしたことがあったので、それだけはもう避けたいと思って。こうすると布団を汚されることはないし、部屋は日陰だから、何気に毎日布団を干している感じでいいですよ。

——確かに、廊下を通ると、洗面台は必ず視野に入りますね。そして、毎朝布団をバーにかけるという収納術も斬新です。

アウトドア用品のための玄関土間収納

玄関
ウォークスルークローゼット

——玄関に土間を作っていらっしゃいますね。

ご主人:私は登山やキャンプが趣味でアウトドア用品が多かったので、その収納を相談したところ、岡野さんが「土間収納」を提案してくださいました。もともと部屋だった部分思い切って削って作ったスペースなのですが、アウトドア用品は結構汚れるので、それを土足スペースに収納できるのはとても便利です。その分寝室が狭くなってはいるのですが、寝るだけの部屋なのでダブルベッドが入るスペースさえあれば、気になりません。靴が多いので、壁には、棚板を自由に増やせるガチャ棚をつけていただきました。作っていただいてからも実際に棚を増やしましたが、気軽に増やせるので便利です。

これからのこと

リビング

——先の話になるとは思いますが、子ども部屋はどうされるご予定ですか?

ご主人:まだあまり考えていませんが、寝室を明け渡すか、リビングを間仕切りみたいにして部屋っぽくする感じにするのがいいかな、とは思っています。

——物件的に「もうちょっとこうだったら・・・」というお気持ちはあると思いますが、洗面台やバーや二重サッシなどのお話をされる表情から、お二人が今の暮らしを楽しんでおられる様子が伝わってきます。

ご主人:そうですね。ちょっと普通ではない間取りですが、今は居心地よく暮らしています。でも、ここも物件的にベストではないので、将来的には引っ越すことができたらいいなとは思っています。子どもが成長したら、もう少し駅から離れたところでも安全でしょうし。

奥様:確かに、部屋がもう少し明るければ・・・という気持ちもあります。でも、私も働き始めたら、みんな夜しか家にいない訳だし、「まあいいか」なんて話しています(笑)。10年後か、20年後か、いつになるかはわかりませんが、将来的に引っ越すことができたら、その時はまた、岡野さんにリノベーションをお願いしたいなと思っています。

——ありがとうございました。

— Before After 平面図

Ntei_zumen

設計者 岡野より

okano270

N様邸のリノベーションは、インタビュー中にある通り「細長い形状の家で猫4匹と共に暮らすコト」を設計しました。ただ、「猫のいる家」と聞いてイメージするようなキャットウォークやキャットタワーなどは今回のプロジェクトには登場せず、事例写真に写っている猫の出入口や猫トイレがあるくらいです。N様からもそのようなご要望は一切なく、猫が近くにいることで生じる面倒なコトや嫌なコトを軽減させて、お互い快適な暮らしを続けていくためにはどうしたら良いかを設計中に話合っていたと思います。 『猫がいることが空気のように当たり前で、猫と人間がお互いストレスなく寄り添っていける暮らし方』猫のための家づくりとは少し違う、心地よい距離感がある家になったと思います。

N様邸ができるまで

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