EcoDecoで設計兼リノベーションコーディネーターを務めるokanoです。リノベーション向きの物件探しから設計までをトータルで担当しています。
みなさんが物件探しをするとき、必ず目にするマンション販売図面。EcoDecoのようにリノベーションを前提とした物件探しの専門仲介会社は、その販売図面から「リノベーションでできること」「できないこと」を読み解きながらご紹介しているんです。同じように、これからリノベーションをされる方にも読み解く力を身につけていただけたら!と思い、19回に渡って物件を読むコツを伝授していきます。今回は7回目です。
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ポイントを整理
前回に引き続き「K様邸@中目黒」を題材に引き続き振り返って見たいと思います。
→K様邸@中目黒の物件事例はコチラ
前回のブログでK様邸の販売図面と現況がどうだったかをご紹介しましたが、K様邸の場合、41.4㎡なので狭いです。ですから、お風呂やキッチンの位置を劇的に変えるような設備の変更は行っていません。それを無理に行うとどこかにひずみが生じてしまうのでシンプルに考えることにしました。
今回のレイアウトのポイントは2つ。
(1)脱衣室にあった洗濯機置き場をどうするか?
(2)キッチンのレイアウトをどうするか?
まず、脱衣室にあった洗濯機置き場ですが、脱衣室に洗面台を設けたかったのでキッチン側に移動させることにしました。
そして、キッチンは広々ワンルームに回遊できるレイアウトにしたかったので部屋の玄関側中央に設置することにしました。さらに作業スペースは土間で!


このレイアウトの場合、課題は「排水」
ここで課題になってくるのは「排水」でした。
前回のブログで紹介したように、キッチンの排水はPSのもともとキッチンがあった側に排水管が出ています。ですので、新たに設けるキッチンもここに接続しなくてはなりません。
でも、
キッチンは土間にしたいので床下に配管を通す事ができない…!
さらに洗濯機は冷蔵庫の横に設置したいから洗濯機からPSまでの排水管ルートを確保しなくてはならない…!
ということが課題でした。
課題をこうやって解決した!
排水の事を考えるとキッチンの床も床上げしてフローリングにするのがラクなのですが、エントランスから土間でつながっている。そしてハードに使っても楽しい!と考えて、モルタルの床にしたかったので今回の排水ルートはこのように考えました!
つまり、
(1)モルタル土間のスペースは配管できないので、収納キャビネットの足下を配管ルートとして使用する
(2)フローリングの位置を少しキッチンに食い込ませてキッチンの排水管を通すスペースを設ける
です。これで解決!!
単純なのですが、現場の職人さんにはキャビネットの加工をお願いしたり、キッチンがぴったり食い込むように微調整してしてもらったりと割と大変そうでした。

黄色:フローリングスペース
水色:キッチン
緑:収納キャビネット
完成後がこちら!
設備のレイアウトを変えようとするときに一番問題になるのは「排水」だと思います。それをどう処理するかが水廻りのデザインではポイントだったりするのです。


引渡の時は部屋のサイズに対してキッチンが大きく感じましたが、実際に引っ越された後はちょうどいい!でした☆
ちなみに、このキッチンですが、IKEAのキッチンを使用しているからお手頃価格なのです!それにタイルを貼ったりと現場で大工さんにいろいろ加工をしてもらったのです。
おわりに
リノベーションのケーススタディはいかがでしたでしょうか。具体例をご覧いただくことで見えてきたことがあれば嬉しいです。
次回は、解体した後の「壁」。室内の内装を解体してスケルトンにした後に残るのは、建物を支える躯体壁と配管。次回は、その躯体壁の表情も様々で、「コンクリート打ちっ放しの躯体現しの壁」に不向きな躯体壁もある?!というお話です。
▷vol.8:解体後の壁は表情豊かですよ!
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