住居者構成 : ファミリー

面積 : 81㎡以上

おうちにオフィスがある暮らし

シームレスにつながる、仕事と暮らし

いわゆるSOHO(Small-Office Home-Office)として、ご自宅で仕事をすることを軸に考えられた御園様邸。隅々まで美しく整った室内はオフィスというよりもショップのようで見惚れるほどです。家づくりはもちろんのこと、家具や小物、パーツ選び、暮らし方に至るまで細やかに気を配り、工夫されたお住まいは、どのようにしてつくられたのでしょうか。ご夫妻からお話を伺いました。

Profile
御園様邸@板橋本町
30代ご夫婦+お子様の3人家族/ 85.61㎡/2019年6月竣工

BEFORE→AFTERの平面図はこちらでご覧頂けます。

二度目のリノベーションで深化するこだわり

インタビュー

以前もリノベーションマンションにお住まいだったのですよね。

ご主人:企画した不動産会社と一緒に、スケルトンから内容を考えることのできる賃貸物件でした。用意されたパターンの中からプランを選ぶセミオーダー形式で、僕の場合は、オプションで浴室の床タイルの予算をキッチンの壁に使いました。実際にやってみると「こんな風にもできるんだ」とイメージが膨らんだり、「こうするとお金がかかるんだな」とコスト感覚もつかめておもしろかったです。

玄関収納
リビング入り口

齋藤:(設計担当)打合せで、谷口と以前の住まいに伺いましたが、整った生活の様子を覚えています。ここよりは広くはないけど、天井が高く開放的なお部屋でしたね。

ご主人:躯体が見えていて無骨な感じは今と近いですよね。

引っ越しを考えられた理由は?

ご主人:子供が生まれて手狭になってきたのと、もっと本格的にリノベーションをしてみたいと思ったのがきっかけです。

奥様:妊娠中から物件を探し始めて、出産前後の半年くらいはお休みしていましたが、トータルで1年半くらい探していました。

理想のエリアより大切にした「広さと駅近」

リビング

物件のご希望は?

ご主人:広さと駅近です。

奥様:以前の家が駅からすぐで便利な場所だったので駅近は必須でした。

ご主人:本当に近かったので、徒歩5分の物件でさえ遠いと思っていました(笑)。

奥様:カーテンを付けたくなかったので、バルコニーから隣のお宅と目が合うような部屋は避けたいなとも思っていました。それと、当初はエリアを世田谷、杉並で絞っていたのですが、かなりの数を内見してもなかなか条件に合う物件がなくて…。

ご主人:あまりにも見つからなくて心が折れそうになった時もあったよね。

奥様:だから不動産担当の谷口さんに、親身に物件を探してもらったのはよかったですね。メリットもデメリットもきちんと伝えてもらい、信頼していたので、出産後に物件探しを再開する時も「谷口さんにお願いしたいね」と夫婦で話したのを覚えています。

谷口:(不動産担当)私に限ったことではなく、EcoDeco全体の考えですが、大きな買い物なので、いいところも悪いところもなるべく全てお見せしたうえで納得して買っていただきたいという思いがあります。この物件はエリアを除けば比較的条件に合致していたのでご紹介しました。

奥様:土地勘のないエリアでしたが、内見に行って部屋を見てみると、窓から視界が抜けているのがすごく気に入りましたし、駅からの距離や80平米を超える広さなど総合的に考えても良いなと感じました。

ご主人:悪いところがなかったんですよね。

奥様:私が産休後の復職を考えていて、認可の保育園を探していた時期なのですが、もうよほどラッキーなことがないと見つからないというタイミングで…。それが、内見をした日に、近所の保育園の園児募集を見かけて、すぐに電話をしたらまだ募集中だったんです!保育園の問題が解消されれば、気持もかなり楽になるので、決め手の一つになりましたね。

それはラッキーでしたね。通勤はいかがですか?

奥様:乗り換えなしで、通勤時間も短くなったので快適です。ただ、コロナ禍以降は私も在宅勤務に替わったので、今は二人でメインテーブルに並んで仕事をしています。

「折衷案にするのが一番良くない」

SOHO

ご主人は元々自宅で仕事をされているのですよね。

ご主人:はい、オフィスとして使うことを前提に家づくりを考えていました。このメインテーブルも打ち合わせをしたり資料を広げたりしやすいよう、通常のメインテーブルよりも大きなサイズにしています。

部屋全体がとてもスッキリしていて生活感がないように思います。何か工夫はあるのでしょうか。

キッチン引き出し

▷キッチンキャビネットはIKEA製。引き出しも容量たっぷりで食器も調理器具もすべて収納されています。

奥様:収納を適材適所で作ってモノを出さないことですかね。キッチンには大型の収納をリクエストしたので、ゴミ箱も調理器具も食器も、すべて引き出しの中に収納しています。

ご主人:今日は撮影のために片付けましたが(笑)、できるだけ隠すようにすれば、生活感は出ないです。

齋藤:以前の住まいもそうですが、パントリーなどバックスペースがあまりないのに、これだけすっきりときれいな家を見ると、生活の仕方も上手なんだろうなと感じます。

奥様:主人の職業柄かもしれません。私も最初は「こんなふうに住んでいる人がいるんだ!」ってびっくりしました(笑)。調理器具など、出しておいたほうが便利だし、使ったら毎回片付けるのは面倒に感じることもありますが、きれいな状態をキープするのは、それにも増していいことだなと思っているので、できるだけこの世界観を壊さないように気をつけています。

インタビュー

齋藤:リノベーションも、基本的にはご主人の考えやイメージがあって、ポイントで奥様の考えを取り入れていきましたね。

奥様:私はこっちがいい、主人はあっちがいいと意見が分かれた時に、間を取るのが一番良くない。そうなった時はどちらかの案を生かした方がきれいな空間になると思っているんです。中途半端にしたくないので、強い思いやアイデアを持っている主人の意見を生かしてもらうことが多かったですね。

齋藤:デザインに対する理解があるからこその考え方だと思います。

奥様:仕事にも通じるかもしれませんが「じゃあ間を取ってこれにしよう」という進め方をすると、おもしろいところがなくなってしまうんですよね。

ショップやホテルのインテリアを参考に

キッチン

ご主人はどんな家をイメージされていたのですか?

ご主人:住宅よりも好きなショップの内装や、過去に宿泊した海外のホテルのインテリアを参考にすることが多かったです。具体的にはリビングは広く、家中の床をフラットにすることは重要でした。天井高があまりとれない部屋なので、直床として、床をフラットにしつつ天井高を出せるようにと工夫していただきました。キッチンカウンターは代官山にあるSaturdays NYCというショップにあるカウンターを参考にしました。横長でインパクトのあるモルタルのカウンターにインスピレーションを得て、アイランド型のキッチンにしたかったのですが、そのためには排水の関係で床をあげなくてはいけなくて…、最終的には床をフラットすることとリビングを広くすることを優先して壁付けにしました。

齋藤:たくさんリサーチされていたので、相談の内容が結構専門的でした。「そんな事までご存知なんですね!?」と(笑)。

奥様:リノベーションが本職なんじゃない?ってくらい、すっごい調べてたよね(笑)。

ご主人:一度リノベーションを経験しているので「次はこうしたら安くなるんじゃないか」というイメージがたくさんあったんです。実際にこの家のリノベを進めていく中で新たなアイデアや知識も増えて「もっとコストをかけずに機能的な作りにする方法があるんじゃないか」とさらに考えるようにもなりましたね。

キッチン

齋藤:冷蔵庫の位置も、動線を考えるとコンロ側としますが、そうすると配管を通すため壁の一部をふかす必要があった。「であれば、窓側でいいかな」という判断をされたのがユニークでした。

ご主人:配管のために何かを妥協するのも、見た目が合理的じゃないのも嫌だったんです。私のそうした意見やリクエストに、齋藤さんは「こっちがいいですよ」と決めつけたりせず、すべて受け入れてくださったのはうれしかったですし、アイデアのひとつひとつをまとめながら設計してくださったので、すごく助けていただきました。

齋藤:施主によっても進め方は異なりますが、M様は沢山アイデアがあり、そうすると、どこに行けるんだろう、どのように着地するのだろうかなど、私自身も考えを広げていたような気がします。

ドアストッパー

▷小さなパーツでも見た目と機能性にこだわり、ご主人自ら取り付け方法を試行錯誤したマグネット製ドアストッパー。

ご主人:普通だったらやらないようなことも一緒にチャレンジしてくださいましたよね。たとえば、洗面室の扉のストッパーとして使いたい、埋め込み式のマグネットがあったのですが、床下地の深さが足りなく、埋め込むのが難しくて。「こっちのパーツを使った方法ならできませんか」とアイデアを出したら「やってみます?」と言ってくださって、結果的にうまく付けられたのもうれしかったです。

齋藤:どうにかできる方法はないかと考えられるのがM様で、そこは奥様の先程の話と同じ気持ちかもしれません。現場監督にも色々とお付き合い頂きましたし(笑)

奥様:それだけ強い思いがあるならやってみよう!って思っちゃいますよね(笑)。

家族総出でやり遂げた壁のDIY塗装

キッチン

積極的にDIYをされたそうですね。

ご主人:一番大変だったのは家中の壁のパテ塗りから塗装までをすべて自分たちでやったことです。最初はコストカットが目的だったのですが、YouTubeでハウツー動画を見ていたら楽しそうでやってみたい気持ちが膨らんできて。実際に楽しかったのですが、あまりに範囲が広くてお互いの両親にも協力してもらって、なんとかやり遂げました。

どんな風に塗り進めたのですか?

ご主人:工事中にDIY期間を設けてもらい、そこで一気に。塗り方は齋藤さんに教わりました。私の両親にも塗装をしてもらい、妻の両親には子供を見てもらいましたね。土日はもちろん、平日も仕事の後に塗っていましたから。もし、もう一度リノベをする機会があっても壁のDIYはやめておきます(笑)。

メインテーブル

他にはどのようなことをされましたか?

ご主人:メインテーブルと棚は以前の家から使っているもので、両方DIYです。私がデザインをして、鉄の部分は現場関係の仕事をしている私の父が溶接をしました。天板は自分でやすりがけをして、棚も同じようにして作りましたね。

奥様:照明やブラインドも自分たちで取り付けました。元々窓には何もつけたくなかったので、引っ越した当初は一切カーテン類をつけていませんでしたが、寝室が北側にあるので、冬になると寒くて目が覚めてしまって…。ある日突然、主人がブラインドを取り付けてくれました(笑)。

ご主人:ハニカム構造になっていて空気を抱え込むブラインドなので、断熱効果があって暖かくなりました。玄関の靴棚もDIYですね。棚のサイズに合わせた靴箱をオーダーして並べています。

玄関収納

奥様:たくさん入りますし、靴が増えたら上に棚板を増やすこともできるのも気に入っています。

靴箱のラベルまで自作されているのがすごいですね。

ご主人:ちょっと面倒ではありますが、それを乗り越えれば面が揃って綺麗ですからね。

ご主人の細やかな仕事ぶりが伝わってきます!

水回りは機能性も心地よさもスペシャル

洗面

お気に入りのスペースはどこですか?

ご主人:お風呂と洗面室、特にレインシャワーです。ホテルライクなお風呂に憧れていたので、レインシャワーだけは機能面よりも憧れの気持ちが強かったです。

奥様:昔から言ってたよね。スペインかどこかのホテルに泊まった時に使って以来、気になってるって。後からは取り付けられないですし、やってよかったことの一つです。

ご主人:リラックス効果があるようで、気持が良いですし、毎日使っていますね。

トイレ部分に扉がないのですね。

バスルーム

▷浴室はレインシャワーやBluetooth搭載のスピーカーなど遊びの要素も取り入れています。

トイレ

▷扉がなく開放的なトイレ。採用したのは壁付の器具。見た目だけではなく、掃除のしやすさもポイント。

奥様:ホテルライクな空間にしたかったので、できるだけ空間を区切らず開放的にしました。全部タイル貼りにしたいという思いもあったので、設計時に、後々DIYでタイルに張り替えられるような仕上げにできませんかと相談したこともありましたよね。

齋藤:塗装どころではなく、大変だったと思いますよ(笑)。

ご主人:ただ、お風呂にタイルを貼るのは意味がありますが、トイレに貼るのは見た目だけなので、結局やめました。

見た目だけではなく必ず機能性を考慮されることにご主人の職業柄でしょうか。

奥様:見た目だけで決めるというのはあまりないかもしれません。

ご主人:床をフラットにしたいのも機能性を考えてですし。実はトイレにウォッシュレットがついていないのですが、ボタンも多くなるし、私たちにはいらない機能だったので付けませんでした。

他はコンパクトにしてLDKをできる限り広く

WIC
ベッドルーム

LDKと対照的に寝室はコンパクトですね。

奥様:もっと広くしようかという話もしていましたが、寝るだけの部屋ですしこの広さで十分でした。

谷口:寝室とクローゼットスペースのせめぎ合いがありましたよね。

奥様:寝室をコンパクトにした分、クローゼットには余裕ができました。以前は家の近くに倉庫を借りてシーズンオフのモノや洋服を入れていましたが、そこも解約できてよかったです。洋服だでなく寝具や趣味のキャンプ用品も入れています。

ご家族でキャンプ、素敵ですね。休日はどんな風に過ごすことが多いですか。

ご主人:今はコロナの影響であまり気軽に外出できませんが、本来はキャンプに行ったり、夫婦で趣味のバスケットボールをしたり、出かけることも多いです。

奥様:リビングでトレーニングをしたり、それぞれが自由に過ごしていますね。こうした状況になる前に、広い家に引っ越せたのは本当によかったと思います。

奥様はしばらく在宅ワークが続きそうですか?

奥様:そうですね。普段はメインテーブルに並んでパソコンを広げていますが、オンライン会議時は子供部屋を使っています。

齋藤:子どもが小さいうちは、個室は不要なので、その分リビングを広くするという案もありましたが、仕事用の差サブスペースの可能性もあるというのは、M様邸の特色でもありました。

奥様:将来的に娘に自分の部屋があったほうがいいかなと思って作ったのですが、書斎にもできますし、本当に作っておいてよかったです。

リビング

▷数ヶ月前に購入したハンス・J・ウェグナーのビンテージソファ。ファブリックは新調したそう。

今後は家をどんな風にしていきたいですか?

奥様:ソファに座って外を眺めているのが好きなので、ソファ周りを整えたいですね。今はキャンプ用の折り畳みテーブルを使っているのでローテーブルを探しているところです。

ご主人:オンライン会議など個室にこもりたいシーンが増えてきたいので、子供部屋を本格的に仕事部屋にしたいなと思っています。

まとめ

玄関サイン

コロナ禍以降初めての取材。在宅ワークが一気に普及した昨今、ご自宅で仕事をされている方も多いかと思いますが、御園様も会社員の奥様が在宅ワークに切り替わったことで、暮らしにさまざまな変化があるようで「こうなる前に広い家に引っ越しできて本当によかった」と何度もおっしゃっていました。家族みんなで過ごす時間が長くなり、家の担う役割はいっそう大きくなっていることを感じる今日この頃。仕事、生活、余暇と多様なニーズに応えうるM様邸は、これからの住まいに求められるバランスのひとつだな思いました。

↓ M様邸@板橋本町の画像をまとめてご覧になりたい方はこちらから(Pinterestのサイトへ移動します。)

— Before After 平面図

“Mtei_zumen

担当者コメント

saito270

リノベーションやDIYの経験があり、各所にイメージを持っていた御園様。

SOHOなので、生活感を抑えて「見せるもの」と「見せないこと」をコントロールしていくことは重要でした。

全体に渡って、要素を減じて調整を行っていたような気がします。比較的短い期間に、沢山の打合せを行い考えを共有して行きましたが、合理的であっても、便利である必要は無く、整った美しさをつくっている御園様の生活の仕方や価値観が体現された住まいとなったと思います。

これからも、自ら手をかけながら、このいえを住みこなされていくのではないでしょうか。

MEDIA

LiVES(第一プログレス)
Vol.112
「DIY HOUSE」でご紹介されました。
LiVES112表紙

暮らしを彩るワンシーン

  • ワイヤーロープ

    キッチンにあるワイヤーロープ。梁同士に渡している。以前のお住まいでも付けていたというステンレスのワイヤーは室内干しに便利だそう。

  • オリジナルのシューズボックス

    シューズボックスに貼られた自作のラベルが圧巻!中の靴に合わせた画像、メーカー、サイズ、色が記載されています。

  • 洗浄ボタンも加工

    元々は青色だったトイレの洗浄ボタンは壁と揃えて塗装されたそう。

  • クッションはお手製

    椅子には奥様の手作りのクッションが敷かれています。生地はスツールと同じハリスツイード。

  • スツールもDIY

    ベースはIKEAのスツール。奥様がクッションを載せてファブリックを取り付け、座り心地よく。

  • リビング照明

    リビングの上にかかる照明はソファ上のものがポーランドの工場で使われていたものだそう。存在感抜群です。

  • 洗面ボウル

    大きくて深さもある洗面ボウルは病院用。モルタルとの相性もぴったり。

  • 隙間を無駄にしない収納

    キッチンの端に設けられた「ミニロッカー」。掃除道具やエプロンなど収納場所に困る“細長いモノ”を収納。分電盤や給湯リモコンもこの中。

  • モルタル床

    モルタルの床は玄関から廊下を抜けてリビングの手前まで続いており、脱生活感の雰囲気作りに一役買っています。

  • 洗濯乾燥機

    洗濯乾燥機の設備配管納まりや、洗面台もフラットにこだわりました。

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