暮らしづくりの選択肢

「自分らしいキッチン」って何でしょう?見つけるための5つの視点

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「自分らしいキッチン」って何でしょう?見つけるための5つの視点

以前、「キッチンのレイアウト」について、I型やL型、アイランド型といった「型」のお話をしました。リノベーションの計画が進むと、どうしても「どの形にするか」「どこのメーカーにするか」といったハード面のスペックに目が言ってしまいますが、本当に使いやすいキッチンを作るために大切なのは、その一歩手前にある「自分はどう過ごしたいか」というソフト面の整理です。

「料理はひとりで集中したい? それともみんなでワイワイ作りたい?」「道具はきっちり隠したい? それともお気に入りを並べて眺めたい?」

今回は、EcoDecoのリノベーション事例から、独自の視点でキッチンをつくり上げた方々のストーリーをご紹介します。一般的な「正解」にとらわれず、自分だけの心地よさを手に入れたリノベの先輩たちの選択は、きっとこれからのキッチンづくりのヒントになるはず!5つの視点にまとめてお届けします。

「広さ」と「機能」を疑ってみる〜自分にとってのジャストサイズを知る〜

「キッチンは広い方が使いやすい」「機能は多い方が便利」。そんなふうに思っていませんか?けれど、必ずしも「大は小を兼ねる」わけではありません。

一人暮らしのO様の事例(Case131:旅の記憶を住まいに映した温かさと寛ぎのSOHOリノベ)を見てみましょう。 一般的なシステムキッチンの幅は255cm程度が標準と言われますが、O様が選んだのは210cm。魚焼きグリルも、食洗機も、吊り戸棚もあえて「設けない」選択をしました。

その代わりに手に入れたのは、最小限の動きで全てに手が届く快適さと、ステンレスとタイルの質感が際立つ美しい空間。把手もなく、フラットな引き出し。この中には炊飯器などのキッチン家電も、ゴミ箱も引き出し式になって納まっています。ご自身のライフスタイルにおいて「不要なもの」を潔く削ぎ落とすことで、調理も片付けも迷いのない、自分にとっての「ジャストサイズ」なキッチンが完成しました。

「実用性」と「意匠性」を両立させる〜「見せる」と「隠す」の美しいバランス〜

毎日使う場所だからこそ、使い勝手は譲れない。でも、リビングの主役にもなる場所だから、見た目の美しさも諦めたくない。そんな時は、M様の事例(Case117:「飾ること」と「子どもの未来」への余白を大事にしたモノトーン空間)が大きなヒントになります。

収納力を確保しようとすると、つい天井まである吊り戸棚を作りたくなりますが、ここではあえて目線の高さまでに留めました。これにより、収納量は確保しつつ、圧迫感のない開放的なLDKを実現しています。 一方で、コンロ下にはワイヤー製のスライド棚を採用するなど、「見えない場所」の機能性は徹底的に追及。 表からはすっきりと美しく、一歩中に入れば厨房のような使い勝手。「実用性と意匠性を両立するキッチン」とは、まさにこういうことなのです。

限られた空間を「立体的」に使い倒す〜無駄な動きをなくした、最強の動線〜

家の面積が限られていても、アイデア次第で使い勝手は無限に広がります。 ポイントは、平面だけでなく空間を「立体的」に捉えること。(Case97:全面モルタル床!アートも DIYも自由に楽しめる家

コンパクトな空間にL字型キッチンを採用することで、体の向きを変えるだけでシンクにもコンロにも手が届く、「無駄な動きが不要」な動線を作り上げました。さらに、固定の作業台ではなく「ワゴン」を組み合わせることで、必要な時に必要な場所へ作業スペースを出現させまていす。 壁の隙間やデッドスペースも収納としてフル活用。狭さを嘆くのではなく、狭さを味方につけてコックピットのように使いこなす。そんな賢い選択肢です。

「調理場」か「社交場」か〜ダイニングテーブルを置かない選択〜

キッチンを単なる「調理をする場所」として捉えるか、家族や友人と過ごす「コミュニケーションの場」として捉えるかによっても、レイアウトは変わります。

47平米にお住まいの事例(Case96:ふたりの、はじまりー自分たちが住みやすい家をつくろうー)では、思い切ってダイニングテーブルを置かず、キッチンカウンターと一体化させました。小上がりの段差をベンチとして活用することで、コンパクトながら最大5人が食卓を囲める設計に。

ここでは、「作る人」と「食べる人」の境界線がありません。カウンター越しに会話が弾み、料理をする時間そのものが、家族やゲストとの楽しいひとときになります。料理中も家族やゲストと目線が合うので、自然と会話が生まれる場所になるんですよね。「ダイニングテーブルは必須」という固定観念を外すことで生まれた、豊かな関係性がここにあります。

そのキッチンに「物語」はあるか〜憧れの風景を暮らしに落とし込む〜

機能性はもちろん大切ですが、毎日立つ場所だからこそ「気分が上がる」ことも重要なスペックの一つです。

「映画『恋するベーカリー』のようなキッチンにしたい」。そんな明確なイメージをお持ちだった事例(Case72:映画「恋するベーカリー」の世界に魅せられて)では、白いタイルや格子窓を取り入れ、マンションの一室とは思えない世界観を作り上げました。特に元々の窓は一般的なアルミサッシでしたから、この窓周りの作り込みは世界観を仕上げる上で重要なポイントになりました。この、ディテールへのこだわりの積み重ねが空間の質を高めています。

元々奥様のご希望を叶えたキッチンでしたが、ご主人も料理をする機会が増えたそうです。新しい住まいは、二人にとって共通の趣味や、新しい発見をもたらしてくれる場所になりました。お気に入りの映画や、旅先のカフェ。そんな「物語」のある風景を自宅に再現することで、日々の家事が義務から「楽しみ」へと変わるかもしれません。

おわりに

いかがでしたでしょうか。ご紹介した5つの事例に共通しているのは、「自分たちの暮らしには何が必要で、何が不要か」が明確であることです。

これからキッチンづくりを考える皆様も、まずはカタログを開く前に、ご自身の今の暮らしを見つめ直してみてください。誰と、どんなふうに、どんな気分で料理を楽しみたいか。その「想い」さえあれば、プランニングの段階で迷うことは少なくなって、きっとあなただけの理想のキッチンが見つかるはずですよ。

 

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