住居者構成 : 二人暮らし

面積 : 81㎡以上

人を招くキッチン

映画「恋するベーカリー」の世界に魅せられて

「この内装のイメージにしていきたいんです。」 一番最初の設計の打ち合わせの際、奥様にお持ちいただいたのはある映画のDVD。「It’s complicated」邦題は「恋するベーカリー」でした。そこでは主人公を中心にさまざまな登場人物と過ごす自宅の中で時間が、すてきに描かれていました。登場するインテリアの中でも特に魅力的だったのが、主人公の自宅のキッチン。映画の世界観を現実のものにしたこだわりのキッチンが完成して、料理が楽しくなったのは奥様だけではありませんでした。新しい住まいを満喫中のお二人が経験したリノベーションのお話です。

Profile
S様邸@清澄白河
30代ご夫婦/90.21㎡/2016年5月竣工

BEFORE→AFTERの平面図はこちらでご覧頂けます。

テーマは「恋するベーカリー」。6年間、憧れつづけた“家族団らんの舞台”ができました。

何かへの「憧れ」を素直に口にして、そして実現できる方を、とても素敵だと思います。S様は、EcoDecoにご相談にいらっしゃるずっと前から、暮らしたい家のイメージをお持ちだったそうです。まずは、そのイメージをじっくり伺ってみたいと思います。

恋するベーカリー

奥様:私の大好きな映画に、「恋するベーカリー」という作品があるのですが、その主人公が住んでいる家のイメージに憧れていました。特にキッチンがとってもステキなんです。映画でも、みんなが集まる場所として描かれていて、将来私も家を持ったら、こういう家にしたいなぁって、ずっと思っていました。なので、小林さん(担当設計スタッフ)とのミーティングの時には、このDVDを持って行って「こんな風にしたいから映画見てください、こんな家に住みたいんです」ってお願いしたんです。

いつから、そのイメージを温めていらっしゃったのでしょう。

奥様:映画が公開されて、初めて見た時からです。だから、2009年ぐらいからかな。私は「恋するベーカリー」だけでなく、監督のナンシーマイヤーズさんの撮る映画はどれも好きなんです。ストーリーも好きですが、出てくる家の雰囲気が全部ステキで、どれをお手本にしようかなって迷うぐらい全部好きなんですが、一番気に入った家は、「恋するベーカリー」の家でした。見た感じがすごく美しい、という理由もあるんですが、それ以上に、家の中心に家族の団らんを描いているところが一番好きなところです。映画の中ではダイニングテーブルを囲んで食事しながら皆で話すシーンがあるんですが、そのシーンを見るたび「いいなあ、ステキだなあ」って憧れていました。そこから私も、家族との何気ない団らんをたくさん積み重ねていきたいって思い続けていたんです。

カウンターテーブル

映画の中のインテリアだけでなく、生活風景にも想いを重ねていらっしゃった奥様。そんな憧れの家をつくるためにまず何を取り入れたのでしょうか。

奥様:まずこのカウンターテーブルです。映画の中でも、キッチンのすぐそばにこういう作業台のようなカウンターテーブルがあって、ここで主人公が料理したり、出来上がったお料理のお皿を置いたり、それを家族がつまみに来たり、軽い食事をしたり、いろいろに使っているんです。そういう使い方ができるスペースがあるっていいなあって思っていました。

ご主人:僕も使ってみてとても便利なので、作ってもらってよかったと思いました。ダイニングテーブルにはない手軽さがあるんですよ。ダイニングテーブルは皆でゆっくり食べたいときに使うテーブルですが、このスペースはもっとカジュアルなんです。パッと使えて気軽な感じだから参加しやすい。オーダーで作っていただいた椅子もスツールなので座りやすいですし。将来的には、妻が料理している前で、子どもがここで宿題したり、本を読んだりしている、そんなシーンが思い浮かびましたね。

なんとも素敵な暮らしのワンシーンです。では、キッチン全体のことも伺ってみましょう。

奥様:キッチンは広いし、使いやすいし、とっても便利です。まず、たくさんモノを置けるのがいいですね。私は普段フルタイムで働いているので、週末に作り置きの分も含めてわりと多めにつくるんですが、カウンターテーブルがあるので、ここに材料や調味料をバーッと並べられます。置き場所の心配なく、いろいろと作りやすくなりましたね。

このカウンターテーブルの高さは、私の身長に合わせてちょうどいい高さを決めてもらいましたし、お箸やナイフやフォークを入れる大きな引き出しも付けてもらいました。壁側のキッチン部分も収納を多くしてもらって、食器やお鍋だけでなく、炊飯器や食洗器、ゴミ箱まで中に入れました。表に見えるモノを極力減らしたんです。

リノベーションの良さを実感しました。今までに感じていたちょっとした不便や小さな不満ってあるじゃないですか。リノベーションならそれらを全て改善できるんです。リノベーションは自由自在、自分のしたいようにできる。だから心地いいし、使っていて楽しいんです。

映画の世界観に浸れるリノベーションの工夫

カウンターテーブル

S様の家にいると、不思議と海外の家にいるような気持ちになってきました。映画の世界観に浸れる工夫はどこにあるのでしょう。

奥様:壁のタイルや窓の感じとか、シャンデリアの形、収納の雰囲気も映画を真似ています。キッチンに窓が欲しかったのですが、この物件にもたまたま窓があって、似た感じにすることができました。リノベーションの場合、マンションの共用部分だから絶対に変えられない所がいくつかありますよね。それが窓枠のサッシ。ハッキリ見えてしまうと、どうしても昔のマンションっぽさが出てしまいますよね。

そこで全体の雰囲気を壊さないために小林さんが考えてくれたのが、二重窓にする、というアイデアでした。実はキッチンの格子窓の奥にもう一枚窓があるんですよ。すりガラスの窓の奥に、サッシの窓があるんです。中からは見えないんですけど。

奥様:もう一つこだわったのは、人工大理石のカウンターです。これも以前に大理石を使ったキッチンを見て、ステキだなーって思っていました。だから私も大理石風にしたいってお願いしました。キッチン全体のカウンターとワークテーブルが同じ人工大理石で、高さも同じです。

ご主人:カウンターが広いおかげで、友達が大勢来るときには役立っていますよ。料理の皿をそこにズラッと並べられるので、ビュッフェスタイルにしているんです。思い思いに料理を取りに行ってもらい、好きなところに自由に座って食べてもらいました。座るところもたくさんできたので、人が集まりやすい部屋になりましたね。友達からは外国のリビングみたいって言われたりして、そういう反応を見るのも面白いです。

廊下

▷プライベートスペースへ続く廊下。丁寧に施された装飾と、正面のライティングによって、雑に作られがちな廊下が意味あるものになっている。これからここに家族の写真が飾られたり、Sさまご家族の歴史が刻まれていく舞台になる。

エントランス

▷エントランス。玄関ドアを開けると、美しくディスプレイされた花。右手には、突き当たりまで連続した収納が目に入る。奥の窓から差し込む光もまた、いい。

キッチンが変われば、自分も変わる

ダイニングキッチン

ご主人:僕はここに住むようになって、家事に対する行動がかなり変わりました。まず、キッチンに自分から入っていくようになったんです。ここへ引っ越す前に住んでいたマンションはキッチンが狭いし、リビングとキッチンが壁で仕切られていたから、自分から入っていこうという気にはならなかった。でも今は、カウンターテーブルがあるからか、ここで自分も何かしたくなるんです。例えば、片付け。食事の後、食器がそこに出っぱなしになっていると、早く片付けてしまいたい、早く元のキレイな状態に戻したい、という気持ちがわいてきて、身体が勝手に動いて片付けていますね。あと料理もするようになりました。以前、一人暮らしをしていた時は、食事はほぼ外食でしたし、家でコンロを使うなんてお湯をわかすぐらいだったのに。自分で何か作ろうなんて思ったこともなかったんです。そんな僕が料理をしたくなった。この前はカレーを作りましたよ。市販のルーを使わず、自分でスパイスを調合して作ったんです。休日の朝食も僕がつくるようになりました。卵を焼いたり簡単なものですが、毎週僕がやっています。特に、妻に頼まれたわけではないんですよ。ただ、なんだか、不思議とやりたくなっちゃうんです。この家に住むようになって変わったんですよね。自分でも驚いています。

それぞれの、お気に入りの場所

リビング

ご主人:リビングです。天井につけたシーリングファンの下のソファで、ぬくぬくとくつろいでいる時間が大好きです。優雅なログハウスにいるみたいで最高の気分ですよ。でも、それ以上に心地いいのは寝室のベッド。テレビを見て夜更かしするぐらいだったら、寝室のベッドで寝そべっているほうが断然気持ちいいですから。

寝室

奥様:私も寝室を気に入っています。天井とベッドの両脇に大きなハリが出ていて、一見狭いのですが、それがちょうど3方向からベッドを囲んでいるみたいなんです。なんだかカマクラの中で守られているような安心感があって。ベッドに付けてもらったライトも優しい光で、その下でスマホを見たり本を読んだりするのも楽しいし、ベッドの背もたれをクッションにしてもらったので、もたれかかるのも気持ちいいですね。

ウォークスルークローゼットで繋いだ寝室と子ども部屋

寝室の奥にあるクローゼットがあり、その奥にはさらに個室があるように見えたのが、気になったので、質問してみました。

奥様:ウォークスルークローゼットですね。使い勝手がすごくいいですよ。右側が私の服で、左側が彼の服。お互いに服がとても多かったので、最初はウォークインクローゼットにしようかって案もありました。でも、この隣の部屋と仕切りをオープンにして、ここをクローゼットにしたらどうかって提案をもらいました。後々壁をつくることもできるし、広々と使えるし。実際、できてみると、ゆとりがあって使いやすいですよ。

ウォークスルークローゼット

奥様:それで、子どもができたら壁をつくって子ども部屋にしようと思っています。

ご主人:子どもにはここが自分の部屋だと思ってほしい。だから子ども部屋は遊び心を加えて、いろいろ変えていくつもりです。

子ども室

奥様:おもちゃが増えたり、壁の色を変えたりするでしょうね。私は動物がいっぱいいるような楽しい感じにしたいなぁ。外国の子ども部屋みたいに、秘密基地みたいなテントを置いて、子どもが自分の世界にひたれるような場所を用意してあげたいんです。

ご主人:妻のアイデアがどんどん広がっていきます。

奥様:そう。私はこの家のどこが好きかって聞かれても一つだけ選ぶなんてできないですね。映画を真似てつくったキッチンやリビングは大好きですし、同じトーンでデザインしてもらったバスルームも毎朝使うのが楽しみです。トイレはお気に入りの壁紙を貼りました。家のどこにいても私の大好きな雰囲気を味わえる。全部が気に入っています。

トイレ
洗面

隅々まで奥様の“好き”が詰まっているお住まい。ふと、ご主人のご希望が取り入れられているのか、気になりました。

ご主人: そもそもで、僕の望みは収納部分だけだったんです。僕はモノが少ない状態が好きなので、できるだけモノを隠したい、だから収納部分を多くしてほしい、とお願いしました。それでリビングの壁一面をクローゼットにし、全体の雰囲気を壊さないようにデザインにしてもらったんです。僕はずっと転勤続きで、モノの少ない暮らしをしてきたせいか、それがラクなんですよ。本当に自分たちに要るものだけ、良いものだけを揃えて、ミニマムな感じを保ちたいと思っているので。このリノベーションを機に、納得いくものだけを一気に揃える、ということができました。この部分は家づくりのコンセプトとは違いますが、うまく組み合わせてもらえて良かったですね。

EcoDecoと一緒に創りあげたリノベーションで感じたこと

リビングダイニング

奥様:リノベーションのプロセスでは、思っていた以上に決めることが多くて。だから小林さんに決めてもらったこともありました(笑)。でも振り返ると、楽しかったなーって思います。小林さんに私の思いを聞いてもらって、コンセプトをまとめてもらえた時は嬉しかった。作っていただいた間取図を見て細かい部分をどうしようかと考えたり。職人さんたちの作業が始まってからは2週間おきに家の状態を見に行ったのですが、その度に「こんなに進んでる!」って思うとワクワクしましたね。キッチンのカウンターに使う人工大理石が床にドンって置いてあるのを見た時も、こんなに大きいんだ~って(感動!)。

ご主人:私の場合は、リノベーションがスタートした時は、家に対してあまり思い入れがなかったのに、今、世界中で自分の好きな場所はどこか?と聞かれたら、僕は即答で「家」って答えますね。以前は全然そんなタイプじゃなかった。それこそハワイが好きって答えていたような人です。それが今は間違いなく「家」ですね。この家ができてから、自宅が一番好きな場所になりましたし、早く家に帰りたいっていつも思っています。それぐらい好きになりました。もちろん、EcoDecoさんたちがそういう風にしてくれたからですけど。これって、リノベーションならではじゃないかと思いますね。

「リノベーションならでは」というのは、どういう意味でしょう?

ダイニングキッチン

ご主人:妻が作りたいイメージがあるということでリノベーション会社を探し、EcoDecoさんに決めました。決めた経緯は、知人がお世話になった話を聞いていたのと、実際に説明会に足を運んだ時の対応がとても丁寧だったので、ここなら安心して任せられると思ったんです。説明会で初めてお会いした時から準備が良くて、妻のやりたいこともきちんと汲み取ってくれますし、ツボにはまる提案をいくつもしてもらいました。EcoDecoさんはいつもお客さん目線というか、こっちの立場にたって考えてくれましたね。何でも僕らの言いなりになるではなく、やめた方がいい時は、こういう理由でやめた方がいい、と言ってくれました。常に寄り添って、親身になって、僕たち以上に僕たちの家のことを考えてくれていたように感じました。これって、最初から最後まで、まるでプロジェクトチームとして一緒にやってきたみたいな印象です。リノベーションの過程で僕は何度も感動したんですよ。「一緒に作り上げた」という実感から、ここが“自分たちの家”という感覚が強まったのだと思います。

これからのこと

インタビュー

奥様:私は、最初の思いでもある「家族の歴史」を刻んでいきたいです。大好きな映画の住まいに憧れたのも、同じような家族団らんの場をつくりたい、という思いでしたから。家族の思い出の背景となるこの住まいで、アルバムに残していけるような素敵な時間を過ごしていきたいです。

映画の住まいは長く住んでいる設定なのでモノが多いのですが、私たちはまだ越してきたばかりでモノは少ないし、全体は新しくてキレイです。でも、どうしても取り入れたかったコトは実現できて、思い描いていた通りの雰囲気にできて、毎日が楽しいです。この家で、私たちの家族の歴史を積み重ねていける、ということが嬉しいですね。今はまだ家族は二人ですが、子どもができたら家族団らんの時間をたくさん作りたい。主人のご両親はもう4回もここに遊びに来てくれて、この家のことも「オシャレでいいね」って褒めてもらいました。

ご主人:僕は、ここに住むようになってから自分自身が変わっていっています。料理をするようになった話をしましたが、掃除もするようになりました。自分の家だからキレイに使いたいし、キレイなまま保ちたい。そのためにも大切に使いたい。そんな気持ちがわいてきます。家が僕の一番好きな場所ですから。もう一つ楽しみなのは、子育てですね。もちろん育児の経験はないので想像ですが、はやく子どもに関わってみたい。子どもができたら、家の雰囲気も変わるでしょうし、僕たちも変わっていくと思う。どう変わるかは想像もつきませんが、そういうのも含めて、これからが楽しみです。

期待をはるかに超えた住み心地の良さからか、終始、楽しそうなご様子のS様ご夫妻。日常の何気ない夫婦の時間を、新しい住まいの中で心から満喫されているご様子でした。ご主人の得意料理がこれから増えていきそうで楽しみです。ありがとうございました。

この記事に掲載されていないS様邸@清澄白河の画像もご覧になりたい方はこちらから(Pinterestのサイトへ移動します。)

pinterest

— Before After 平面図

Stei_zumen

設計者コメント

kobayasshi270

リノベーションではラフな魅力を楽しむために「仕上げすぎないこと」を楽しむ流れがあるのですが、Sさまのご要望をおうかがいさせていただいて、Family Historyという言葉であったり、参考にお持ちいただいた映画「恋するベーカリー」の内装であったり、「ラフさ」も大切なのですが、ちゃんと古びていける「丁寧さ」を大事にされていると感じていました。

これからの歳月で傷がついたり、塗装を塗り重ねたりして、この家自体が家族のアルバムのように、ご家族のいろいろな思い出が積み重なって魅力を増していくSさま邸の未来が私も楽しみでなりません。

MEDIA

relife+ vol.28(扶桑社)
2018年3月
でご紹介されました。
住まいの設備を選ぶ本2018春(リクルート)
2018年1月
でご紹介されました。
relife+ vol.25(扶桑社)
2017年6月
でご紹介されました。
relife28表紙
住まいの設備を選ぶ本2018春表紙
relife25表紙

S様邸ができるまで

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