Pickup リノベの暮らし

時を継ぎ、醸成する家づくりのストーリー

# マンションリノベーション # ライフスタイル # リノベーション # リノベーション事例 # 住まいづくり # 東京 # 経年変化 # 醸成する家 # 青山リノベーション # 骨董

時を継ぎ、醸成する家づくりのストーリー

家は、完成したときがゴールではありません。むしろ、そこからが本当の始まり。住まい手と共に呼吸し、日々の出来事を分かち合い、時間と共に味わいを増していく──。私たちリノベーション会社がお手伝いさせていただいた住まいの中にも、そんな、まるで生き物のように「醸成」されていく素晴らしい事例があります。今回は、そんな素敵なストーリーを、竣工時と暮らしてからの様子を交えてご紹介します。

▼この事例のインタビュー記事(リノベーション事例)

南青山K様邸

南青山のペントハウスリノベ 骨董に囲まれて暮らす|リノベーション事例
一人暮らし/40~60㎡、骨董と聞いて思い浮かべる、ちょっと重厚で難しそうな世界。そんなステレオタイプなイメージをがらりと変える、伸びやかな開放感と広がりを感じるのがK様邸です。モノが持つ美しさや歴史を大切にされるK様は、家に対しても「既存利用」という言葉には収まりきらない、物件そのものの魅力を最大限に活かしたリノベーションをされていました。

受け継がれる記憶、新たな息吹を待つ空間

この暮らしの場所は東京、南青山にあるヴィンテージマンションの一室。こちらの写真は、リノベーションを終え、お客様をお迎えする前のその空間。清々しい「素」の表情を見せてくれています。躯体現しのコンクリートの梁やリビングダイニングに広がるフローリング。これは、以前お住まいだった方から大切に引き継がれたものです。新品のフローリングでは醸し出せない重厚な質感、以前の暮らしの記憶が静かに息づいているようにも感じます。

キッチン
天窓,梁

躯体現しにしたことで見えるようになった梁の表情は、このお部屋が元々持っていた素敵な個性。白い部分は糊の跡なんです。このお部屋はマンションの最上階にあり、天井高が高い上に天窓まである特別な造り。明るさを調節できるよう、ブラインドも施工してあります。

この住まいの新たな主となるK様は、30代確かな審美眼をお持ちの方でした。リノベーション前のヒアリングでは、遠藤新の建築や東京国立博物館の東洋館、かつての根津美術館といった、静謐で美しい空間がお好きで、70年代のモダンな雰囲気に惹かれる、と。石材、木材、ガラスといった異素材が織りなす調和を大切にされ、その空間に選び抜かれた古美術品をそっと寄り添わせたいというご希望を語ってくださいました。

その静かで熱い想いを形にするため、壁や天井の一部は躯体現しに。リビングにはアイアンを使った造作の本棚を設け、膨大な書籍や図録が美しく壁面を彩るよう計画。

キッチンは、機能的かつ「見せる」ことを意識した壁付けスタイルにしました。ステンレス製にしたことも「家庭感」がでない要素のひとつ。キッチンの壁には奥行き20cm弱の立ち上がりを作り、そこに骨董品をディスプレイできるように計算しています。そして、ダイニングとリビングは一体の空間としながらも、お持ちの書棚や、気分で入れ替えたいという古美術品を置く展示台で、緩やかに空間を分ける。お客様との打ち合わせの中で、暮らしながら空間を編集していく楽しみへの期待が、私たちにもひしひしと伝わってきたのです。


時を重ね、深まる味わい。住まい手と響き合う家

では、暮らし始めてから、この家はどのように醸成されているのでしょうか。


引き継がれたフローリングの上には、味わいのあるソファや様々な椅子が置かれ、壁側には多くの骨董品が飾られています。K様と一緒に悩み抜いた鉄の造作本棚には、愛読書や図録がびっしりと並び、それはもはや単なる収納ではなく、K様の知的好奇心と美意識を映す、この家の象徴的な景色となっていました。

玄関
玄関

玄関ドアを開けるとライトアップされた骨董品が飾られていて、静かな存在感を放っています。くり抜かれた小窓の奥に見えるのは、本棚のある個室に置かれた骨董品。奥行きがあることでより効果的なフォーカルポイントの演出になっています。季節や気分でその場所を変えるたび、空間の表情は新鮮に変わる。それは、K様と家との終わらない対話なのかもしれませんね。

愛着あるモノたちと日々の営みによって、少しずつ、唯一無二の我が家の顔つきになっていく。引き継がれたフローリングも、新しい生活の跡を刻みながら、さらに深い艶を増しているのでしょうね。


「醸成する家」という、終わらないストーリー

家は住まい手と共に成長し、完成形はないのかもしれません。その変化の過程こそが、暮らしを豊かにし、愛着を深めていく。あるおご夫婦のお宅に竣工から10年後にお邪魔した際、「何も変わらないでしょう(笑)」と言われたことがあるのですが、確かに家具も、お施主様の姿も、静かで暖かなその家の空気も10年前と変わらなかったのですが、やはりフローリングの色は飴色に深みを増していましたし、植物は大きく天井にまで伸びていました。

私たちは、リノベーションを通じて、お施主様とそのご家族が愛着を持って時を継いでいく、そんな暮らしの器をお届けしたいと考えています。単に空間を新しくするだけでなく、生き方そのものを映し出す器を、お客様と共につくり上げていきたいと考えています。あなたの理想の暮らしも、リノベーションで作り出すことができるかもしれません。ぜひ、私たちにそのお手伝いをさせていただけたら嬉しいです。お気軽にお問合せください。

Share:

リノベーション相談室

不動産探しから施工まで、リノベーションに関するあらゆるご相談に、幅広くお答えします。リノベーションコーディネーターが無料個別相談会を行っていますので、お気軽にご予約下さい。まずは、じっくりとお話ししてみませんか。

ご予約はこちらから