趣味を楽しむ暮らし

青と赤がテーマカラー ビコロールの家

二人暮らし/61〜70㎡

コンクリート打ちっぱなしの壁に木のアクセントがほどよく効いたシンプルで落ち着いた家。・・・とそこまでは、最近雑誌などでもよくみかけるテイスト。K様邸の面白いところは、“テーマカラー”だという青と赤が、さりげなく家のあちこちに見え隠れしているところ。「テーマカラーって何?」という疑問は後々明らかにしていくとして、K様邸は、遊び心いっぱいのご主人とそれを穏やかに見守る奥様、そんなお2人を表しているようなお住まいでした。 ※ビコロール=二色配色。 青と赤という「色」を、ここに住まうK様ご夫妻それぞれと見立てると、空間に青と赤の二色が恥ずかしそうに時折顔を覗かせる、そんな初々しい住宅をイメージしてデザインしました。(建築家コメントより)

Profile
  • K様邸@練馬高野台
  • 30代ご夫婦/68.34㎡/2015年11月竣工
  • リノベーション費 約1050万円
物件探しからはじまるリノベーション

物件探しは最初、複数のリノベ会社さんにお願いしていました。EcoDecoさんで初めて内見をした日、コーディネーターさんがすごく楽しそうに物件を紹介してくださっていたのがとても印象的でした。なんだか自分の家を探していて「こうしてこうしたら絶対にいいよね!」みたいに。その事務的じゃない感じがよくて「この人なら任せて大丈夫」と思いました。

— Before After 平面図

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練馬エリアにこだわった物件探し

インタビュー

ご主人:練馬にはもう4年住んでいたので、購入するなら練馬で、と決めていました。練馬は池袋まで10分くらいで都心へのアクセスもいいし、お互いの会社の中間地点だし、ちょうどよかったんです。この家に決めるまで10件くらいの物件を見ました。要望がちょっと多かったので予算内で物件を決めるのに時間がかかりましたが、最終的にはここに落ち着きました。駅近で、広さもちょうどよかったし、スーパーが近く、静かな点もいいなと思いました。

奥様:私の実家もここから近かった、ということもありますね。あと、庭がついていたこともポイントでした。庭付きの物件も何件か見たのですが、その中でこの家の庭が一番広くて、いいなと思いました。家庭菜園ができたらなと思って。

EcoDecoを選んだ理由

リビングダイニング

奥様:物件探しは最初、何軒かのリノベ会社さんにお願いしていました。EcoDecoさんで初めて内見をした日、コーディネーターの岡野さんがすごく楽しそうに物件を紹介してくださっていたのがとても印象的でした。

ご主人:なんだか自分の家を探しているみたいだったよね(笑)。「こうしてこうしたら絶対にいいよね!」みたいに。でも、その事務的じゃない感じがよくて、「この人なら任せて大丈夫」と思いました。

奥様:岡野さんだけでなく、設計を担当していただいた田中さんも、みなさんそんな感じでした。だからとても親しみやすかったです。

ご主人:そうそう、みなさん同じ感じ(笑)。ただ「どうですか」と言われても、よくわからないから「うーん」という返事になっちゃうけど、「ここ、こうしたらいいですよね」という話をしてもらえると、こっちもイメージがしやすくてよかったです。

奥様:「ここはちょっと動かせないから」といったアドバイスをその場でいただけたのもね。

どうしてリノベーション?

リビングダイニングキッチン

▷リビングダイニングには「見せる」収納が豊富。できるだけ8割程度までに抑えるようにしているそう。

ご主人:最初から中古を買ってリノベーションしたいと考えていました。新築の普通の間取りは何だか面白くないなぁと思っていたので、新築は全く見ていません。せっかく買うなら、内装も自分たちが好きなようにしたいと思っていました。周りの友達?友達はみんな新築派です。

奥様:私たちは賃貸に住んでいた頃も、本当はデザイナーズマンションに住みたいと思っていたんです。ただ、ちょっと高いので無理でしたが・・・。

建築家と「いいな」と思うものが一緒だった

陶器の取っ手

▷インタビュー中に出てきた、白い陶器製の把手。

ご主人:私たちの家の設計は、EcoDecoの田中さんと建築家の田中さんが担当でした。メインは建築家の田中さんだったのですが、不思議なくらい「これがいいよね」という感覚が私たちと同じ感じの方でした。コーディネーターの岡野さんにそんな話をしたら、「よかった!久保さんの遊び心がある感じをうまく取り入れてくれそうだと思って、建築家の田中さんとのコラボレーション設計をご提案したんです」とおっしゃっていて・・・。本当に相性がばっちりでした。

奥様:そうそう。例えば、引き戸の把手。白くて、陶器でできたものなのですが、家のどこかでこのアイテムを使いたいな、と漠然と思っていました。そうしたら、私がそれを言う前に、田中さんの方から「引き戸の把手に、こういうの、いいかなと思うのですがどうですか?」と言われて・・・。それはビックリしました。しかもその取っ手、本当はたんすの引き出し用の持ち手なんです。私たち好みのものを見つけてくださるのが、本当に上手でした。

ご主人:CDを収納するための壁面棚を検討していた時も、そんな感じでした。予算と要望をお伝えして、3D画像で候補を見せていただいたのですが、「いいな」と思う棚をすぐに提案してくださった時には思わず、「これ!これ!」と叫んでしまいました(笑)。

迷うことなく進んだ打ち合わせ

キッチンから見たリビングダイニング

ご主人:要望を伝えた後、最初に大まかなプランを3つ提案していただきました。2人とも迷うことなく、一発で同じプランを選んだんだよね。

奥様:うん。元々は3LDKなのですが、その間取りを生かしたもの、部屋の仕切りを全部取っ払ってワンルームにしたものなど、違うタイプが3案あったのですが、私たちは2人とも、ワンルームタイプで即決でした。

ご主人:内装は、私たちの希望に田中さんから提案があり、それに私たちが賛成して・・・みたいな感じで進んで、トントン進みました。田中さんの提案に対して、僕たちから「こうしてほしい」って言うことはあんまりなかったよね?

奥様:うん、なかったね。

CD2500枚を収納したい

CDラック

奥様:CDとか服とか、とにかく物が多いので、主人の・・・。それをどうにかしたいと思っていました。

ご主人:CDは2500枚くらい・・・かな?インディーズ系の音楽が好きで、こんなに増えちゃいました。それをリビングで見せる収納的な感じにしたいとお伝えしたところ、この棚をご提案していただきました。さっきお話しした3D画像で見せていただいた棚です。

奥様:CDはほとんど主人のもので、私のCDはそのうちの1/10くらい。主人は、はまるとそれにのめり込んでしまうタイプなんです。で、CDは棚に収まったのですが、予想外に入りきらなかったのが服です。服もとても好きで結構あるんです。

ご主人:はは・・・(苦笑)。衣類は、寝室の壁3面につけていただいたパイプハンガーにかけています。お店のディスプレイみたいになるとカッコイイかなと思って。その下に衣類ケースを置くし、ベッドの下も収納になっているし、衣類の収納はこれで十分だと思っていたのですが、入り切れていない服がまだ少し残っているという。

奥様:早く断捨離しないかなぁと思っています。

ご主人:そうだね。これでも捨てたつもりなのだけど・・・。でもまぁ、引っ越しは断捨離のいい機会になりますね。

テーマカラーをちりばめる

ダイニングキッチンのタイル

ご主人:テーマカラーっていうのはあれです(笑いながら、壁に飾っているFC東京のキャラクターのぬいぐるみを指す)。FC東京の大ファンなので、僕が「どうしても部屋の中にチームカラーの青と赤を入れたい」と田中さんにお話ししたら、この家のテーマカラーということで、いろいろなところにちりばめていただきました。リビングの電球を吊り下げているコードは青と赤がパッと見でわかりますが、よく見ると他にもいろいろあるんですよ。リビングのCD用の棚や、ダイニングの飾り棚の棚板の裏とか、キッチンから寝室に向かう扉も実は赤いでしょ。電球のコードも色のバリエーションがあるとは知らなかったのですが、「コードも色々な色があるから、テーマカラーを使うのもよいね」と田中さんが提案してくださったんです。

奥様:この家の、というか主人のテーマカラーみたいなものですが・・・(苦笑)。キッチンのシンク周りのタイル、これは私の希望でつけていただいたのですが、その色も実は青と赤です。

キッチンのタイル

出来上がった家を見て

リビング

ご主人:「わー!!」という感じでしたね。図面で見るのと実際はインパクトが違って、図面が飛び出てきた感じでした。物もなくからっぽだったせいか、入った瞬間とても広く感じました。

奥様:実はスケルトンの状態の時に見学したのですが、その時は「ちょっと狭かったかなぁ」と感じていたんです。でも、出来上がっていざ入ってみると、あの時の印象よりも広い感じだったよね。もともとの3LDKの家との比較で見ているからなのかな?不思議ですよね。

人を呼びやすくなったことが嬉しい

リビングダイニング

ご主人:今ちょうど7か月が経ちますが、もうばっちりです!

奥様:私もとても快適です。コンクリート打ちっぱなしの感じとか、この家の全体的な雰囲気が好きですね。なんだか居心地がよくて、リビングのソファでついゴロゴロしてしまいます。友人にもよく「ここ、なんか落ち着く感じ。つい長居したくなるね」と言われます。

ご主人:「カフェみたい」とも言われるよね。駅近だけど住宅街だから、この辺りは静かだというのもあるかもしれないね。

奥様:うん、この辺は落ち着いているよね。

ご主人:僕は、リビングが広くなって、人を呼びやすくなったのがうれしいです。特に引っ越したばかりの頃は、間取りが珍しいこともあって、毎週末、誰かしら遊びに来ていました。リノベーションをする人はまだ周囲にいなかったので、すごく興味があったみたいです。キッチンが広くなったので料理もしやすくなったし。サッカーがオフシーズンになったら、きっと毎週末のように誰かを呼んでホームパーティーをするんだろうなと思います。

キッチンでの会話

奥様:キッチンについては、料理好きな主人が私以上にいろいろ要望を出していました(笑)。

ご主人:料理を作る場所を広くしたかったので、壁側にカウンターを作ってもらったり、お皿がたくさん入る吊戸棚を作ってもらったりね。

奥様:普段からよくご飯を作ってくれるけど、友達が来ると、ほとんどずっとキッチンで料理しているよね。

家の中のお気に入りのポイント

パイプハンガー

▷寝室に取り付けたパイプハンガーは全部で3箇所。アパレルショップのように掛けられている。

ご主人:CDを入れている棚と寝室のパイプハンガーかな。どちらも、色とかデザインがとても気に入っているのと、シンプルだけど、使いやすいんですよね。

もう1つ、この間取りは、キッチンを中心に家の中を一周できるんです。これが意外に楽しくて気に入っています。一応、寝室エリアとキッチン&ダイニングエリアの間は引き戸で仕切れるようになってはいるのですが、開けていると全然、扉の存在を感じないんです。

奥様:部屋が全部つながっている感じ、楽しいよね。私は玄関のリースを飾っている棚が好きです。「玄関にお花があるのっていいな~」とずっと思っていたので、棚を作っていただきました。あと、ふと気づくと庭に季節によっていろんな花が咲いていて、それを見るのも結構楽しいです。

玄関ホール

ご主人:今は草しか生えてないでしょ?(と言いながら庭を見に行くご主人)あ、確かに紫の花が咲いているね!

奥様:冬に引っ越してきた時には土だけだったのに、春になると白い花が咲いたり、チューリップも咲いたりしました。今咲いている紫の花も木なのですが、ある日気づいたら咲いていました。

ご主人:窓が多くて大きいのもいいよね。ベランダは東向きなのですが、部屋の中が結構明るいです。ベランダの窓(東側)と反対側にある寝室の窓(西側)を開けると、一直線で風が通り抜けるのでとても気持ちがいいです。

これからのこと

ワークスペース

扉

ご主人:リビングの壁の1面ほどを使って、端から端まで長い作業台をつけています。作業台は僕用というだけでなく、子どもの勉強机にもなると思って。子どもが生まれたら、ここで料理をしながら勉強している様子を見ることができるように使えるといいなと思っています。あとは、もう少し断捨離ですかね・・・。

奥様:雑貨やお皿とか好きで、昔はよく集めていたのですが、今はそれをちょっと控えています。せっかくの暮らしやすい家なので、なるべく物を増やさずすっきり暮らしたいので。でも、主人の断捨離が終わったら、気に入った物をまた、少しずつ増やしていきたいな・・・。

ご主人:はは・・・(苦笑)。

玄関
玄関

▷使い勝手によって随所で間仕切れる様に引戸を配置。まるで小気味良い服の裏地のように、扉を閉めた時だけ現れる青や赤の色が空間に遊び心をプラスしたデザインとしている。

 

↓ K様邸@練馬高野台の画像をまとめてご覧になりたい方はこちらから(Pinterestのサイトへ移動します。)

Project member
Design:EcoDeco+田中 亮平(G Architects studio代表)
Writer:Mayumi Nakata

設計者 田中亮平(G Architects studio代表)より

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お施主さまが若いご夫婦でお二人の仲の良さというか、人柄をインテリアに反映出来ないかと考えていました。打ち合わせを重ね、いろいろと悩んだ結果、今回はそれが青と赤というカラーリングという形で表現することになりました。 一方で、二色が嫌味にならないように配分やディテールには細心の注意を払いました。 タイルやコード、扉や家具など様々な所にさりげなく忍ばせた二色がアクセントとなり、お二人の新居にささやかな彩りを与える事を目指して設計しています。また、既存プランが長細い平面形状であるポテンシャルを最大限活かすため、広がりのあり奥行を持つワンルームとしてプランニングする一方で、臨機応変に間仕切る事の出来るように建具の納まりには工夫を凝らしました。そして実は浴室など水回りの位置は大きな変更をしていません。既存平面を活かして大掛かりな水回りの移動などをしなくてここまで印象がガラリと変えることが出来たのもこだわりのひとつです。

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Photo Collection by Junten Morita

竣工画像の一部をご紹介します

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