ペットと暮らす

猫も家族も心地よく暮らせる、スタイルのある家

二人暮らし/40〜60㎡

都心の閑静な住宅街にあるマンションで、愛猫と一緒に暮らしていらっしゃるH様ご夫妻。EcoDecoは設計から携わらせていただきました。50㎡というコンパクトなスペースで快適に暮らすために、お二人が考えた「6S」という考え方をベースに、どんな家づくりを目指していたのかを伺いました。

Profile
  • H様邸@学芸大学
  • 30代ご夫婦/51.5㎡/2017年8月竣工
  • 工事費約1020万円(設計費含む)

— Before After 平面図

“Htei_zumen

リノベを考えたきっかけは「ペット可」の賃貸物件の少なさ

インタビュー

ーリノベーションを選ばれたきっかけは何でしょうか?

ご主人:一言で言うと、住みたい賃貸物件がなかったからですね。猫が飼える物件という時点でかなり絞られてしまうのですが、そこにインテリアを自由にこだわれることを条件にすると、本当に見つからなくて。

奥様:希望の条件の物件がなかなか見つからなかったことは、リノベーションを考えるようになったきっかけでした。

ご主人:リノベマンションに住んでいる友人の家に遊びに行ったのも後押しになって、本格的に考えるようになりました。中古マンションを買ってリノベーションするという目線で物件を見るようになると、ある程度、内装や間取りも気にせずに選べるので、賃貸に比べてずっと選択肢が増えた印象がありました。

ー家を買うぞ!というよりは、自分たちのライフスタイルに合わせた家に住むためにリノベーションを選ばれたんですね。

ご主人:そうですね。家自体は買わなくて済むなら買わなくていいかなと思っているくらいなので、趣味に近いのかもしれません。

ー物件はご自身で探されて、EcoDecoは設計から担当させていただきましたね。

ご主人:はい。目黒エリアを希望していたので、散歩しながら「いいところはないかな?」と足で探したりもしていましたね。この物件はネットで見つけました。購入を迷っている時に、EcoDecoさんともう1社を比較しながら、両社にどんなリノベーションが可能か相談していたのですが、EcoDecoさんのほうがプランにバリエーションがあって、引き出しが多そうだなと思い、お願いすることにしました。

奥様:いろいろなリノベーションサイトで事例紹介を見ていたんですが、いいなと思う事例の多かったのもEcoDecoさんでしたね。

ご主人:中でも気に入っていたのが「一度は都心に住みたい 南青山リノベーション」の事例でした。

okanoblog

一度は都心に住みたい 南青山リノベーション
設計を担当した岡野が担当したリノベーションプロジェクトのインタビュー記事です

目指したのは大人の秀逸なリノベーション

リビング

奥様:私、そのページをブックマークにしていました(笑)。夫婦で職住近接というプロフィールや、暮らしに対する考え方など共感できる部分が多かったですし、家づくりのセンスの良さにも惹かれましたね。「ほっこりでもないしラフでもない。シンプルでありながら味のある空間を作るにはどうしたら良いか…‥と部屋のイメージを考えていく時に、南青山の事例のクールな雰囲気や全体のバランスは、とても参考になりました。最初にEcoDecoのオフィスにお邪魔した時に、南青山の事例を設計された岡野さんが対応してくださったんですよ。

ーそれはなんだかご縁を感じますね。

奥様:打ち合わせをしている中でも「この人に任せていれば間違いないな」と思えて、岡野さんのセンスには安心感がありました。

ご主人:南青山の事例は、岡野さんとの最初の打ち合わせの時にも「ベースはこんな感じにしたい」とお伝えしましたし、プランを詰めていく中でも、迷ったら南青山の事例に立ち返っていました。

奥様:「南青山の事例はどうしていたっけ?」って。お会いしたこともないのにね(笑)。

家に求めることを突き詰めたオリジナルの「6S」

リビングダイニング

ー家づくりではどういうことを大切にされたのでしょうか?

ご主人:私たちのやりたいことを「6S」という方針にまとめて、オリエンテーション時にお話させていただきました。

ーそれはご自身で考えられたのですか?

ご主人:はい、6つのSをテーマに部屋の希望をお伝えしました。

1. Simple シンプルで飽きのこない

2. Sense 直感的に心地良い

3. Smart 機能的な動線設計とIoTを導入した快適な

4. Stress-free 仕事に追われる人間2人と猫1匹がストレスのない

5. Sustainable 無理せず持続できる仕組みが組み込まれた

6. reSalable いつか売却する時も(できれば高い価格で)売りやすい

猫ちゃん

ー南青山の事例に通じる部分もありますね。具体的にはどんなふうに反映されたのですか?

ご主人:「Simple」「Sense」は、内装の素材選びや色選びをする際に意識しました。全体的な色合いは抑えつつ、躯体を出すバランスなども岡野さんに細かく相談したのを覚えています。また、実際の仕上げの美しさも重要だと考えたので、南青山の物件を手がけた工務店さんにお願いしました。3つ目の「Smart」はスマートホームという意味もあるのですが、実はあまり実現できていない部分なんです。

奥様:私はあんまり興味がない分野なので任せていたのですが、主人はそういうのがすごく好きなんですよ(笑)。

ご主人:すべてを声で操作できるようにしたかったのですが、スマート電球にするには天井をかなり下げる必要があったり、電球をダウンライトの菅の中に入れるとWi-Fiにうまく接続できない可能性があったりと、設計当時は技術面でも金額面でも折り合いがつかなかったのであきらめました。

奥様:玄関をスマートロックにしたいとも言ってたよね。そのあたりは次にリノベーションをすることがあったら、課題にしたい部分です。

ーこれから数年で一気に進化して、普及も進みそうな分野です。

ご主人:そうですね、今は構想を膨らませています(笑)。まずはテレビやエアコンの操作くらいは声でできたらなと思い、Amazon Echoの第二世代の購入を検討しています。

ー4つ目の「Stress-free」というのはどういう意味ですか?

奥様:たとえばウォークインインクローゼットの扉がそうですね。猫を飼っていると、どんなに掃除をしても猫の毛がいつも家の中に舞っているのですが、前の家では、押し入れの扉を取っ払ってクローゼットにしていまして。猫がそこでよく寝ていたので、私の洋服が何枚もダメになったこともあって(笑)。それで、猫も私たちもお互いにストレスなくという意味で、クローゼットに扉をつけてスペースを切り分けることにしました。

ご主人:床を無垢材にしなかったのは「Stress-free」でもあり、5つ目のS「Sustainable」でもあります。

猫ちゃん

奥様:無垢材だと猫が引っ掻いたり、万が一吐いたりした時に手入れが大変なのと、床暖房にもしたかったので選びませんでした。結果、猫も喜んでいるし部屋も乾燥しないし、床暖房は最高です!

ご主人:足元が暖かいと部屋の空気も温まるみたいで、去年はほとんど暖房を使いませんでした。

奥様:岡野さんが、料理をする時にいいからとキッチンのぎりぎりのラインまで、床暖房を入れることを勧めてくれたのですが、これも大正解でした。ほかにも、「Sustainable」でいうと、共働きでお互いにマメなほうではないので、日々の片付けや家事がなるべく楽に維持できるようにお願いしました。洗面所、玄関、脱衣所、それぞれに収納スペースを設けてもらったのもその一環です。

ご主人:今の間取りは1DLK+S(サービスルーム)でSがウォークインクローゼットになるのですが、将来子供ができたり、家を売ることになった時に、2LDKに変更できるというのも「Sustainable」や、6つ目の「reSalabe」にもつながってくるのかなと。売却することを強く意識しているわけではないんですが、なんとなく担保しておきたいとは思っていました。

奥様:ここに一生住むことは考えていないので、もし将来売却することになっても、このエリアなら土地のバリューがあるのは、購入理由の一つでした。だから好みやキャラクターの強い部屋にはしていません。といっても、一番大切にしたのは、夫婦2人と猫1匹が快適に過ごせること。それでいて家族が増えた時や売却時にも臨機応変に対応できるようにしたいとご相談しました。

機能性を重視したキッチンは夫婦ともにお気に入り

ダイニングキッチン

ー間取りやインテリアで絶対に実現したかったことはありますか?

奥様:私はキッチンを外に出すことでした。以前の間取りでは一番奥にあったのですが、朝、お弁当を作りながらテレビを見たり、お湯を沸かしながら洗面所に行ったりという動線を希望していたので、キッチンはリビング側に作りたいとお願いしました。

ーデザインやテイストのイメージはありましたか?

奥様:内見した時に、リビングダイニングがワイドスパンで、窓が全面にあるのが気に入っていたので、そこを活かしたいと思っていました。作りとしては、南青山の事例のキッチンをかなり参考にしました。

ー機能面はいかがでしょうか?

奥様:見た目優先で、海外のキッチンのようなかわいいデザインのガスコンロを入れたかったんですが、最終的に機能性を重視してリンナイにしました。ガラストップはサッと拭けば綺麗になるし、自動消火機能や音声ガイダンスも便利で気に入っています。

ご主人:グリルもけっこう使ってるよね。ローストビーフを焼いたり、ダッチオーブンでココット料理を作ったり。

奥様:以前の家では、夫はお皿洗い担当だったんですが、この広々としたキッチンのおかげで、料理をするようになりましたね。週の半分以上作ってくれることもあります。

ーそれは大きな変化です!キッチンは造作でしたよね?

ダイニングキッチン

ご主人:キッチンの裏が洗面台なので、壁がクランク(※)しているのですが、キッチンの面や長さは揃えたかったので、一番きれいにおさまる造作を選択しました。
※クランク=ジグザグした形

奥様:実は、造作って機能性はあきらめなくてはいけないのかと思っていたのですが、引き出しがゆっくり閉まるソフトクローズにも対応してもらえたのは驚きましたね。

ーオリジナリティと機能性の両方を叶えられたのですね。そういえばゴミ箱はどこにあるんですか?

ご主人:シンクの下に全部入っています。見せたくないものはすべて隠す収納にしています。

ーキッチンで隠す収納といえば、パントリーを作る方も多いですよね。

奥様:スペース的に余裕がなかったのもありますが、2人だとそんなに量も多くないですし、近くに大きなスーパーもあるので買いだめもしないので、いらないかなと。

シンプルに見えて繊細なこだわりがたくさん

ワークスペース

ー大切にしたいことや暮らしのリズムが明確だからこそのご判断ですね。ご主人のこだわりはどのあたりでしょうか?

ご主人:私はワークスペースです。ただ、寝室の奥にするのか、ウォークインクローゼットの中にするのか、配置にはすごく悩みました。

奥様:「Sustainable」ということで、将来場所を変えられることも考慮した今の場所に落ち着いたんだよね。

ご主人:ワークスペースのデスクは、一目惚れをして海外から取り寄せたものです。デザインもですが、ペーパーレス化されたワークスペースというコンセプトにも惚かれたんです。

ーたしかにワークスペースといっても本や書類はまったくありませんね!

ご主人:ただ、届くのに5ヶ月くらいかかったんですよ。

奥様:もう届かないんじゃないかなと思いました(笑)。

ー5ヶ月!実物をご覧になったことはあったんですか?

ご主人:色違いは見たことがあったのですが、まったく同じデスクは見たことがありませんでした。ようやく届いた時はうれしかったですが、途中で色々トラブルもあり、勉強になりました(笑)。

ー照明もアクセントになっていて素敵です。

奥様:プリーツの繊細な雰囲気や全体のクラフト感が、モダンなデスクと良いコントラストになると思い、最近買い足しました。ブラーバ(床拭きロボット)を使っているので、なるべく照明を床置きにしたくないという事も理由のひとつです。

入り口

ご主人:ワークスペース周辺や家具は私の趣味のモノが多いですが、絵や置き物などのディスプレイは妻のセレクトですね。リビングダイニングのショーケースは私のお気に入りですが、中に並べているモノは妻のセレクトなので、二人の好みがうまく融合できたかなと思っています。

ーこのショーケースもかっこいいですね。

奥様:私も一番のお気に入りの家具です。これもブラーバが入る高さでオーダーしました。飾りたいモノが増えても、なるべくここに収まるように気を付けています。

シルエットシェード

ー窓のシェードはちょっと変わった作りですね。

奥様:1階で歩道が近いので、視線を遮るには何がいいかと、レースカーテンやブラインドなどいろいろと調べた結果、「シルエットシェード」にしました。

ご主人:二重構造になっていて乱反射するので、明るい外からは室内は見えません。通行人の視線は遮れつつも、光は入ってくるので明るいですよ。夜はパタンと閉じられるので便利ですね。シェードと壁のツラを合わせてフラットにする、というのもこだわったポイントですね。

ー細かい仕様の一つ一つが、部屋全体をすっきりと見せているんでしょうね。

猫との暮らしを快適にするポイント

洗面室
クローゼット

ー猫との暮らしのために工夫されたことはありますか?

奥様:猫のトイレを、人のトイレの近くに作りたかったので、洗面台の下にスペースを作ってもらいました。洗面スペースは浴室の隣というイメージがあったので、洗面台をトイレの横に設けるという提案には驚きましたが、考えてみると、玄関の近くにあるほうが動線もいいので納得しました。スペースを広めに取ってあるので、私が化粧をしている横で夫が髭を剃ったりと、並んで身支度できるのも便利ですね。

ー洗面スペースの奥がウォークインクローゼットですね。

ご主人:ここも猫と暮らすうえでのこだわりポイントです。

奥様:先ほどお話したとおり、猫の毛が服に付くのを防ぎたかったので、洋服は絶対に1箇所にまとめたいと思っていました。クローゼットは減額も兼ねてIKEAの収納を活用しています。IKEAのサイト上で、壁のサイズに合わせてどんなパーツが何個必要かをシミュレーションができるので、それで選びました。ただ、まだここが工事中だったので、図面から完成した部屋を想像して選ぶのはちょっと大変でしたね。デッドスペースもないし、二人一緒に入って着替えもできるし、うまく納まってよかったです。

ご主人:あらかじめ壁に柱を打ってもらってあるのですが、フックの位置を変えることでラックの高さを自由に変えられるので、引っ越してからそれぞれ使いやすいように入れ替えたりしました。

寝室

▷ワークスペースの奥にあるベッドルームも、スッキリしていました。

ーそれにしてもモノが少なくてスッキリしていますね。

ご主人:なるべく整理した状態をキープしたいので、ここに入りきらなくなった服は処分するようにしています。

さきほどのショーケースといい、持ち物をきちんと管理されているんですね。

日々アップデートできるのもリノベの魅力

コートハンガー

ー引っ越しから1年ですが、あらためてEcoDecoで家作りをしてよかったのはどのような部分ですか?

ご主人:1年点検の時に「どこまでの範囲をサポートというのかな?」というくらいいろいろとやっていただけたのは感謝しています。ワークスペースの横のコート掛けも1年点検の時に岡野さんに相談して、追加でデザインしてただいたんです。

奥様:実際に暮らしてみて、便利さや快適さを感じることも多いです。床暖房を入れる範囲やキッチンの引き出しの開閉など、これまでのいろいろなご経験の中から提案してくださっていたんだなというのを感じます。

ご主人:すきまの掃除がしやすいようにしてあったり「あの提案はこのためだったんだ!」と気付く瞬間があります。

ーリノベーションを選んでよかったのはどのような部分ですか。

奥様:トイレットペーパーホルダー一つを取っても、自分たちで決めているから思い入れがあるので、家に愛着を持ちますね。

ご主人:それらの好きなモノに囲まれて、「空間」として好きだと思える生活ができるのは、オリジナルの家づくりだからこそだと思います。賃貸より制約も少ないので、生活の中で「ああしよう、こうしよう」とアップデートできるのもリノベーションをしてよかったことの一つです。

植物

ー今後アップデートしたいことはありますか?

ご主人:マンションのすぐ目の前に桜並木があるので、ベランダにウッドデッキを敷いて花見ができるようにしたいです。前に住んでいた家は目黒川が近くて、毎年桜がきれいだったので、私たち夫婦にとって馴染み深い「桜」という存在が近いことは、この物件に運命を感じた理由でもあります。

奥様:私は室内にもグリーンを増やしたいですね。1年点検の時には、窓際にフックを付けてもらいました。猫に有毒な植物も多いので、今は猫の手の届かない場所にじわじわと増やしています。

まとめ

キッチン

ご主人はシンプルでモダンなデザイン、奥様は遊び心や作家性のあるもの。それぞれ趣味や嗜好は異なるのに、それらがとても自然とMIXされていて、しかも50㎡とは思えないほど部屋全体がすっきり!1年以上お住まいなのにこれだけきれいで快適な空間をキープできているのは、6つの「S」の賜物なのかなと感じました。もうすぐ子猫が家族に加わるとのことで、ここでの暮らしがさらに充実した日々になりそうな予感がしました。今回はありがとうございました。

 

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担当者コメント

okano270

リノベーションのご相談をいただいた初期の頃からH様の家に対する見解は明確でしたが、それに対する間取りやしつらえの答えは1つではありませんでした。

設備関係の制約事項から考えられるいくつかのプランをベースに暮らしのイメージを膨らませていただき、そして所有されている家具などとのバランスもイメージしていただき、行き着いたのが今のH様の住まいになっていると思います。

イメージを共有する上で南青山の事例が役に立った経緯はありますが、明確な言葉にならないニュアンス的な部分も含めてこちらからの投げかけに対して「自分たちにとっての快適さは何か?」「何か余計で、何か必須なのか?」といった判断の積み重ねがバランスよく形になったプロジェクトだったと思います。

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