住居者構成 : 一人暮らし

面積 : 40〜60㎡

おうちにオフィスがある暮らし

運河に浮かぶアートディレクターの家

建築を学び、現在はアートディレクターとして活躍されているW様が選んだのは、運河沿いに佇むマンション。窓から望む景色は、一面に運河が広がっていて、まるで運河に浮かんでいると感じてしまうような特別な景色。この景色を最大限に活かす為に「運河を室内に取り込む」リノベーション空間となりました。そんなクリエイターらしい自由な発想の住まいと暮らしを覗いてきました。

Profile
30代男性/@豊洲/57.60㎡/990万円(ウッドデッキ除く)/2014年11月竣工

BEFORE→AFTERの平面図はこちらでご覧頂けます。

好きなアート、植物、熱帯魚に囲まれて

LDK

▶︎左手奥にあるのが、インタビュー中に出てきたフラワースタンドとグラフィックのシルクスクリーン。

——W様の住まいを見ると、お気に入りや好きなものに囲まれている印象がありますね。昔からこういったモノを集めるのがお好きだったんですか?

W様:昔から好きではあったのですが、賃貸で住んでいたお部屋は狭かったので、飾ったり置いたりするスペースが無くて、本当に小さな物しか集めていませんでした。ただ、リノベーションしたら絶対に置きたいと思っていたものがありました。妹島和世さんがデザインされた「HANAHANA」というフラワースタンドとエンツォ・マーリの「TRE,LA,MELA E LAPERA」というグラフィックのシルクスクリーンです。

——どちらもシンプルだけど存在感のあるものですね。よく見てみると、建築関連の書籍も多いですが、建築もお好きだったのでしょうか?

W様:実は元々、大学では建築を専攻していました。アトリエ系設計事務所でチョットだけ働いたこともあるんです。だからかもしれませんが、デザインやアートというものはずっと好きですし、現在は不動産を主に扱う広告代理店でアートディレクターとして働いています。

バルコニー

▶︎ウッドデッキが敷かれたバルコニー。リバービューが心地いい。

——そうだったのですね。バルコニーの植物達も魅力的ですが、こちらも昔から育てたりしていらっしゃったのでしょうか?

W様:賃貸で住んでいた部屋が、部屋自体は小さかったのに、バルコニーは8畳くらいあったので、その時から色々育てています。

——熱帯魚の水槽が洗面室にあったり、本当にW様が好きなものお気に入りに囲まれている感じがしますね。

W様:今まで賃貸で住んでいて、広さ的にも制約的にも叶えられなかった願望が溢れ出したのかもしれませんね。

水槽

▶︎脱衣室、トイレと一体になった洗面室には、アクアリウムが置かれていた。

自分が満足できる住まいにするためにリノベーション

ベッドルーム

▶︎ボックスのようになっているベッドルーム。奥にある洗面室と小窓で繋がっている。

——建築学科出身で、デザインやアートも好きなW様が、中古マンションを購入してリノベーションという選択に至るまではどのような経緯があったのですか?

W様:本当の理想の住まいは、建築家に戸建ての住宅をお願いしたかったのですが、都内で実現しようとすると金額的に難しくて。じゃあマンションかと思ったのですが、新築マンションでは自分の満足のいく住まいは無いだろうなと。仕事柄、マンションの間取りを見る機会がとても多いですし、モデルルーム撮影のディレクションなどもするので、実際に脚を運ぶ機会もあるのですが、大体の間取りが、共用廊下側に寝室を配置して、バルコニー側にリビングやダイニングという間取りにとても違和感があったんです。

——僕たちも仕事柄間取りを見る機会が多いですが、W様の仰る通りの間取りが多いですね。この間取りのどんなことに違和感があったんですか?

W様:共用廊下って、とてもパブリックな空間じゃないですか?それに対して寝室って凄くプライベートな空間だと思うんです。壁があるとはいえ、パブリックとプライベートが隣同士という事にずっと違和感があったんです。

——わかります。この住まいの間取りをみると、動線上一番奥に寝室がありますね。

W様:そういえばそうですね。自分が住まいに対して思い描く理想の空間というのは元々あったのでこうなりました。

——W様の場合、ご自身で基本プランを書いて来られて、それを僕たちが実現可能な様に図面に落とし込んで行くというスタイルで進めて行きました。実際に設計中にお会いしたのも4,5回ぐらいで、殆どメールでのやり取りでしたね。夜中にもメールが届いていたこともしばしば…。これはcase57Kと似たようなスタイルでした。

W様:実は当時、仕事があまりにも忙しくて打合せに割ける時間も少なかったんです。メールを書けるのも夜中しか無くて。

——そんなに仕事がお忙しい時期だったとは知りませんでした。W様の場合、建築的な話も通じ易かったので、伝えたい事や望んでいる事が分かり易くて、メールのやり取りだけでも十分でしたね。

W様:そうですね。メールのやり取りにもストレスは感じませんでした。

職場圏と生活圏をしっかり分けるための環境探し

リビング

▶︎リビングでハンモックにゆられながら、ゆらゆらとした川面を眺めてくつろぐことも。

——物件を探し始めたのはいつ頃でしたか?

W様:賃貸で住んでいたマンションは中野だったんですが、10年くらいずっと同じ部屋に住んでいて、さすがにそろそろ飽きて来てしまって。それと、職場が新宿なのですが、新宿と中野って近すぎるなと感じていたんです。どうしても、職場圏と生活圏が被ってしまうんですよ。プライベートのときも新宿が便利なので、新宿で買い物とかしてしまいますし。ということで、せっかく住宅を購入するのであれば、職場圏と生活圏をしっかり分けようと考えました。

——その考え方は面白いです。普通は忙しい人程、職場の近くに住みたいと仰るので。職場と住まいが離れる事で、不安はありませんでしたか?例えば、終電が早くなってしまうとか。

W様:中野に住んでいた頃は、終電でも帰れない事も多くて、職場からタクシーで帰るという事も頻繁でした。職場と住まいが離れてしまった後も、同じ様にタクシーで帰る生活を続けてしまうと、会社に負担をかけてしまいます。ですので、早く帰る生活に変えようと考えていました。

▶︎洗面室への途中にあるのが、収納とワークスペース。仕事に集中できる環境だそう。

——今までの仕事量をもっと短時間で行うということですか?

W様:もちろんそれもありますが、終らないときはどうやっても終らないので、家で仕事が出来る環境を整えたんです。職場と同じパソコンを買って、同じ環境を作りました。

——そんな思惑があったとは。今のお話を聞いていて、この職場圏と生活圏をしっかり分けるというのは、住まいの中でもはっきり出ているなと感じていたんです。というのも、家で仕事する方というのは、気持ちのよい環境を求めがちですが、W様の場合、WICの一角にワークスペースがありますので。

W様:確かに家の中でも仕事と団欒がしっかり分かれていますね。僕の場合、気持ちのよい場所で仕事してたら、仕事の能率が悪くなってしまいそうな気がします。仕事している場合じゃない!と(笑)

都内でも自然を感じられるような住まい探し

眺望

▶︎都会の景色の中に浮かぶ、公園。

——ところで、都内のご出身ですか?

W様:埼玉ですが、親の転勤が多くて地方を転々としていました。千葉、横浜、名古屋、そして埼玉など。

——このお住まいの一番のポイントは、部屋から大きな運河が見えて、空も広く感じられて、大きな公園も近くにあって、自然を感じる事が出来る事だと思います。このような環境を選ばれたのも、色んな地方で自然を感じる暮らしが身近にあったからでしょうか?

W様:一人暮らしするまで住んでいた家も、いわゆる郊外の住宅地が多くてそこまで自然があるような場所ではありませんでした。だからこそなのかもしれません が、自然の心地よさを毎日感じられる環境というのはとても大切にしました。そして、せっかく中古物件を買うので新築では決して得られない特徴的なロケーションを、というのも頭にありました。

——でも、その条件だとエリアを絞るのが難しそうですね。

W様:エリアには全く拘っていなかったんです。実は、以前に別のマンションを内覧をした事があったんですが、それも大きな公園の近くでしたが、埼玉県でした。それで、結局購入には至りませんでしたが。

——そうだったんですね。後に出会ったこちらのマンションはどのように見つけたのですか?

W様:前にバイクでブラブラしていた時に、たまたま見つけたんです。対岸沿いからマンションを見たんですが、マンションの佇まいが面白いと思ったのと、あのマンションに住んだら凄い景色が広がっているんじゃないかなと。大きな公園も近かったので、「これだ!」と思って、すぐにEcoDecoさんに連絡しました。

——本当にエリアは限定していなかったんですね。でも想像通り、凄い景色ですね。部屋の中からこの景色が望めるのは見た事が無いです。運河が近すぎて空中に浮かんでいる感覚になってきます。

EcoDecoを選んだ理由

リビング

▶︎インタビュー中のW様と設計を担当した岡田。

——最初からリノベーション会社限定で探されていたのですか?

W様:そうですね。最初から、ワンストップでリノベーションまでお願い出来る会社を探していました。というのも、リノベーションまで含めた話となると、普通の不動産会社さんでは住宅ローン絡みの面で自分が動かなければいけないことが多くなるので、時間がない中でそれは大変だなと感じていました。

——確かにそうですよね、施工会社の見積もりを始めとした資料をお一人で全て揃えて進めるのは大変ですよね。EcoDecoは初めからご存知だったのでしょうか?

W様:知っていました。EcoDecoさんを含めて2社で検討していたのですが、実際に話を聞きに行ってみると、EcoDecoさんの方が説明が丁寧で自分に取っては分かり易かったんです。物件を買うって、人生の中でもとても大きな買い物なので、丁寧に接して貰った方が気持ちが良いですし、安心出来ますよね。

——ありがとうございます。

普通の間取りに馴染めないからこそのワンルーム

リビング

——お風呂の扉以外、一切扉が無くて、壁も天井まで通っていないなど、個性的ですよね。他のお客様にこの間取りを見せたら、奇抜すぎて嫌がられそうです。

W様:自分が理想とする空間を求めたらこうなってしまいました。1人でいる事が多いので、個室にする必要がない。扉も要らない。全てが繋がっているワンルームで大丈夫。でも、友達が来たりすると、トイレが嫌がられますね。寝室の隣で、トイレと寝室が開口で繋がっていますから(笑)

——これで、本当に大丈夫かな~と思いながら設計してました(笑)洗面室からこの景色を見るための開口ですか?

W様:もちろんです。キッチンや寝室も全部この景色が見られるように配置しています。ただ、それだけではなくて。洗面室にいても犬と視線を合わせられるのはとてもよかったです。

リビング

▶︎引っ越してから飼い始めた愛犬とくつろぐ。

——いつ頃から飼われたんですか?

W様:今年に入ってからです。歯磨きなどをしていて、ふとこの小窓からリビングを覗くと、じっと犬がこちらを見ているんです。とてもかわいいですよ(笑)。

——なるほど。設計中には「そのうち飼うかもしれないけど、その為に特別な事はしません。」という話がありましたが、前々から飼おうと思われてましたか?

W様:実はリノベーションを始める前から、移り住んで1年後くらいから飼おうかなと思っていました(笑)。なので、ペット可の中古マンションというのは絶対条件でしたね。

——お一人暮らしならではの思い切ったワンルームで、景色を取り込み、ペットとのコミュニケーションも大切にする。普通の間取りではなかなか実現出来ない暮らしですよね。

運河を取り込むリノベーション

リビングから運河を眺める

——ベランダ側の壁に貼った一面の鏡面。これもとてもポイントになっていると思います。

W様:最初はトリッキーだなと思っていましたが、住んでみると、全く違和感を感じませんね。

——「鏡面」と聞くと、普通は尻込みしますよね。でも良く考えると、室内が写り込むだけで、鏡面自体の存在感は無くなりますからね。

W様:ここが普通に白い壁だったら、運河の魅力も今の状態ほど感じられなかったかもしれません。言葉だけ聞くと奇抜ですが、やって正解だったなと思います。

——室内が反射されて運河が部屋の中にある様な感覚にもなりますね。「運河をインテリア化」している様な不思議な感覚です。部屋も広く見えるので、個人的にもこれはいいな~と思ってます!

あえて前より「少し不便」な場所を選んで

玄関

▶︎玄関からリビングまで、造作の棚が繋がっている。

——これまでのライフスタイルと変わった事はありますか?

W様:変わりましたね。賃貸の時は、歩いて1分の所にコンビニがあって頻繁に行っていたんですが、今は殆ど行かなくなりました。というのも、一番近いコンビニまで歩いて5分ちょっと掛かってしまい、気軽に行ける距離ではなくなったので。

——この立地、近くにお店が少ないですし、駅からも距離があります。正直言って不便だと感じる方が多いような気がするんです。

W様:僕はバイクで移動する事が多いのですが、交通手段を持っているととても楽です。歩いてコンビニに行かなくなった代わりに、バイクでららぽーとやイオンに行っちゃいます。バイクであれば4,5分で着いてしまいますから。

——なんとなく、郊外の暮らしに近い感じがしますよね。コンビニが遠くて、買い物は自家用車というあたりも、職場圏と生活圏をしっかり分けるというあたりも。地方に住まわれていて、その生活を都内で取り戻されたのかなと思いました。

W様:そうですね。その感じが、今の自分にはちょうどいいんでしょうね。ここは近くに木場公園や辰巳の森海浜公園もあるのですが、そこにはドッグラン施設もあるので、遊ばせるのにも好都合です。ペットと一緒に暮らすという意味でも、正解だったなと思っています。

——W様らしい暮らしぶりが実現出来ているように見えて、とても嬉しくなりました!本日はありがとうございました!

 

↓ W様邸@豊洲の画像をまとめてご覧になりたい方はこちらから(Pinterestのサイトへ移動します。)

— Before After 平面図

Mtei_zumen

設計者 岡田より

okada270
初めてW様にお会いしたのは内見に同行した時。室内に入った瞬間「運河にプカプカ浮いている」といった不思議な体験を味わったマンションだったことを今でも覚えています。こんな体験は、後にも先にもこのマンションだけです。 そんなオンリーワンのマンションでオーダーメイドの住まいづくり。運河を眺められるだけではモッタイナイ。ということで、運河そのものを室内に取り込み、インテリアの一部にする方法を模索しました。日によって違う波の立ち方、水面の揺らぎまで室内に反映される。内装の好みだけで完結するようなリノベーションではなく、外部の影響で内部の状況までも揺れ動くようなリノベーションを目指しました。

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