住居者構成 : ファミリー

面積 : 61〜70㎡

自宅をリノベーション

リノベのプロがこだわったのは、コスパでした

EcoDecoのコーディネーター兼設計スタッフとして数々の事例に携わってきた岡野。2019年、満を持して自宅リノベーションをしました。設計者自らが施主になるという「リノべのプロ」ならではの家づくりについて、詳しく話を聞きました。

Profile
岡野邸
40代夫婦+お子様の3人家族/65.68㎡/2019年10月竣工/リノベ費用 約1,080万円(施主支給品含、設計費別)

BEFORE→AFTERの平面図はこちらでご覧頂けます。

リノベをしたいと思って早8年 ついにその時がきた!

リビング

▷リビングと寝室を間仕切る室内窓のおかげで、より空間が広がる

2011年の秋(EcoDeco入社前)に自宅を購入していますが、その時はリノベする予定はなかったんですか?

岡野:家を買うなら自分でリノベしたいと考えていました。ただ、買った物件はリフォーム済みで、そのまま住める状態でしたし、妻の出産前に引っ越しを済ませたかったので何もしませんでした。その後も暮らしていくには困らない部屋だったので、きっかけがなかったんです。でも8年住む中で子どもが生まれて、もう小学生になって。そろそろ子ども部屋が必要になってくるだろうなということを考えるようになったことがひとつ。もう一つが、ローンのことです。リノベーション費用は現金ではなくローンを考えていたので、返済期間のことも考えると早い方が良いということもあり、「リノベするならそろそろかな」という感じで動き出しました。

他のお客様のリノベーション事例でもあるように、住んでいる家をリノベーションする場合、困っていることや不便だなと感じていることを改善できる、というイメージが強いのですが、岡野さんの場合はいかがでしたか?

岡野:そうですね。例えば、リノベ前のリビングは暗かったんです。それがすごく開放的で明るい部屋になりました。ただ、「いつかはリノベしたい」という思いがベースにあったからこそ、不満なところがはっきり見えたという面もありますし、リノベでその不満が解消できる確信は自分が設計をしているからだと思います。リノベの知識もなく、その気が全くなかったら、そのまま30年くらい過ごせたでしょうね。その他に不満だったことは、キッチンが半個室で閉ざされていたところ。リフォームされてキレイになってはいましたが、間取りは昭和のころのままで開放感もないし、ダイニングやリビングとの繋がりも感じられない。自分たちのライフスタイルに合わないなと思っていました。それを改善できたことは大きかったです。

なるほど。間取りに対する不満を解消できたんですね!キッチンといえば、ブログにもありましたが、リノベ前は換気扇の吸い込みが悪かったそうですね。
>>blog:自宅を解体して分かったコト|okanoの自宅リノベ実況レポ

岡野:このマンションは排気口のシャッターが電動で動くタイプなのですが、電源コードが切られてほったらかしの状態にされていて。リフォーム工事がずさんだったんでしょうね。だから今回のリノベで電動シャッターを新調してレンジフードと連動させたら、吸い込みがかなり良くなりましたよ。

自宅リノベならではの問題!?仮住まい探しに難航

インタビュー

▷インタビューは、岡野の後輩にあたる矢野が行った。ときおり図面を見せながら設計の内容を伝える岡野

既に住んでいる自宅のリノベーションは、中古を買って、引っ越す前にリノベーションをする場合と道のりは違いましたか?

岡野:大きな流れは同じでしたが、2つ違いがありました。
1つはローンです。2019年の夏に我が家のリノベ(工事)はスタートしましたが、プロジェクトを本格的に考え始めたのは2018年の夏でした。自宅の設計は休みの日にコツコツやっていたので進みが遅いし、妻と休みがかぶらないのでリノベーションの打ち合わせ(家族会議)をする時間を取るのも難しかったです。約1年かけてなんとか工事着工まで持っていった感じです。中古を買ってリノベする場合は、不動産購入のローンと合わせて動く必要があるので、銀行とのやりとりもスピーディーに動く必要がありますが、自宅リノベの場合は、自分のペースで動けるという利点がありました。
そして、もう1つは仮住まいです。プランがようやく固まって、銀行の審査も承認されたところで仮住まい探しを行いましたが、転居先を探すのには、とても苦労しました。短期間で貸してくれるところがなかったんです。URの賃貸物件なら短期間で貸してくれたりしますが、そこは学区外で。なので奇跡的に見つかった感じですね。

よく見つかりましたね。

岡野:決まったところは、もともと戸建てを建設中のファミリーが半年ほど仮住まいとして住んでいたところだったんです。家が建ったら退去されるので、それが待てるなら次に入れますよと不動産屋から言われて待つことにしました。GW明けから探し始めて、うまくいけば5月末に引っ越し&工事スタート、完成はお盆くらいに予定していたんですが、結局は仮住まいが決まるまで2ヶ月を要したので工事がお盆前スタートくらいになってしまいましたね。

家族のための、暮らしやすい家づくり

しょこ

▷書庫を通ると玄関側からキッチンへ入り、ダイニングへと回遊できる

廊下

▷リビング側から玄関までドアがないように見えるが、実際は途中に引き戸がある

コンセプトは考えられたのでしょうか?

岡野:強いて言うなら”本棚のある家”だと思います。文庫本から図鑑といった大判のものまでが収納できる本棚。キッチンや寝室の位置関係を改善するために頭の中で考えていたイメージは、最終プランとは別にあと2つ考えていたのですが、実際に間取りに落とし込むと成立しないところが出てきて。例えば、通路が狭くて歩きにくい、ソファとテレビの距離が近い、とかですね。こんなプランも出来たら良いだろうけど図面に落とし込むとうまくいかなそうだなとなって、結果的に(家族で)良いねとなったのが本棚のプランでした。

プランを決める前に、暮らす中で感じていた不満についてもご家族で話し合ったそうですが、一番は本棚が足りていなかったことだったのでしょうか?

岡野:そうですね、本棚問題もリノベをする上で重要なポイントでした。ただ、最終的には本棚になりましたが、実はキッチン横だったので3案を比較検討しているときは、本棚ではなくパントリーを考えていました。本棚はリビングに設けよう、くらいの気持ちだったのですが、パントリーって我が家に必要なの?という妻の発言にハッとさせられて「書庫」が生まれました。妻は結婚のときに本をかなり処分して、デジタルで買い直したりしてたんですが、「好きな本くらいは紙で持っておきたい」「でも置き場所がなくて買えない」という不満がたまりにたまっていて…。今は収納量が倍以上になったので、心置きなく増やせて幸せそうです(笑)。

ダイニング側にも本を置ける棚があるので今後も安心ですね。

本棚

▷本棚に近づくと、植物の葉上にカエルの置物が鎮座していた。岡野らしい遊び心

そういえばリビング側はご夫婦の寝室で、玄関側の離れた方に子供部屋を配置したのは何か理由があるのでしょうか?

岡野:息子が部屋に籠る年齢になったら、それは思春期的な、中二病的な、反抗期的なものだと思うのでリビングから離したほうが彼にとって健全かなと思い、玄関側に配置しました。

DIYの域を超える作業量 想像以上に時間がかかった!

子供部屋

▷子供部屋にあるルーバー状の扉に施したオイル塗装は、1枚あたり2時間もかかったそう。苦労の様子がブログでも綴られていた。

今回はDIYを積極的に行ったんですよね。

岡野:はい。天井と壁の塗装、フローリングとルーバー扉、室内窓枠のオイル塗りなんかも全部自分でやりました。一応DIYじゃないレベルでやったつもりです!妻や職人さんにもポイントポイントで手伝ってもらいましたが基本は一人だったので、トータル1ヶ月ほどかかりました。

おひとりで!心が折れそうになりませんでしたか?

岡野:職業柄やり慣れているので心は折れませんでしたが、こんなにかかるのかと、ちょっと予想外でした。特にルーバー扉(5枚)のオイル塗りは計10時間もかかったんですよ。1枚30分くらいだと思っていたので、途中で結構いい加減になってます。もう無理!って(笑)。DIYならリノベ費用が押さえられるというメリットもあるし、できるコトは自分でやりたいから塗装もオイル塗りもDIYでやりましたが、作業の大変さを実感すると職人さんにちゃんとお金払いたいってなりますね。

コスパ良くやる!これが一番こだわったこと

ダイニングキッチン

▷正面に写る造作の棚は、知り合いの家具職人に依頼したものだそう

なるほど、たしかにDIYをされた方は達成感もありますが、その分疲労もありますね。リノベに精通した岡野さんならDIYでコストカットもポイントだったと思いますが、その他に「リノベのプロ」として一番こだわったところはどこでしょうか?

岡野:コスパ良くやること、ですね。ちなみにこの棚(ダイニングテーブル横の)は知り合いの家具屋に作ってもらったんです。工務店が現場で作るよりも安いのですが、納期がかかってしまうので、お客様の場合はあまりやらない方法です。それとソファは新しく購入せず生地を張り替えました。元々自分でデザインしたものなので、より使いやすいよう座面の奥行きを伸ばしたり、改良も行いました。

それは岡野さんならではのコストカット術!他には、オーダーメイドに見えるキッチンも、コスパを重視したとブログに書かれていましたね。

岡野:コスパ良くキッチンを作るために、部分的にIKEAを使っているというのが正しい表現でしょうか。IKEAのキッチンをベースに引き出しの面材は作ってもらって、取っ手はToolBoxのアイテムを採用しました。オーダー感覚で色々なメーカーのものを組み合わせることができて面白いんですよね。お客様にも「IKEAのキッチンにしてみませんか?」と提案することも多いです。

当たり前にやっていることこそ細かい。プロのこだわり

リビングダイニングキッチン

▷パッと見たときには分からない細やかな計算がたくさん隠されている。リビングのソファはリメイク時に3cmだけ奥行きを出したそう

キッチンの色、青みのあるグレーなんですね。

岡野:そうです。部屋をグレートーンに揃えているので、壁の色も普通の白壁よりグレーなんですよ。でも全体的にパッと見たら白く見える、それぐらいの絶妙な色味にしています。なのでスイッチ類は白がアクセントになっています。それに、キッチンを組み合わせ型にしたのも、部屋全体のトーンを合わせたかったという理由もあります。キッチンは造作した洗面と扉の色が同じなので、既製品が異質なものとして混じっている感じをなくしているんです。

キッチンをお部屋の色味に合わせるって、当たり前のようで一般的には意外と気にしていないところかもしれません。キッチンからは寝室の中が見えるようになっていますが、内窓を設けたのはどんな意図があったのでしょうか?

岡野:大きい意図としては、部屋を開放的にしたかったからです。多分ここが窓じゃなかったら狭く感じるだろうな、と。寝室側の窓からも光は入るので、内窓があればリビング全体に光を取り込むことができ、広く感じられるんです。あとは寝室って夜しか使わないという日も多いので、壁を立てて区切ってしまうのはもったいないと思いました。家族が風邪をひいた時や、将来自宅での介護が必要になったとき、キッチンから寝室の様子を確認できるというのも内窓を設けた理由のひとつですね。

なるほど。内窓はリビングに面しているので、ソファに座った時に頭が当たらないよう設計されたんですよね。

岡野:はい。仮住まいの時に、実際に使うソファに座って頭の高さがどれくらいにくるかを測って決めました。

インターホン

岡野:室内窓に限らずスイッチやインターホンの高さも考えていて、(岡野邸の)インターホンは僕の身長に合わせて通常よりも10cm高くしています。

小さなこだわりがたくさんつまっていますね。

岡野:確かに「こだわり」ではありますが、リノベをされるお客様には設計の時にいつも聞いている基本的なことなんですよ。ゴミ箱をどうするか、何をどこに収納するのか、固定電話は置くのかなどなど、その人の生活から生まれる空間を設計しているので、その点では当然のことです。

間取りが変わると、普段の過ごし方も変わる

リビングダイニング

▷リビングにあるソファや木のサイドテーブルなど、岡野自身がデザインした家具がいくつもある

リノベの前と後、暮らしやすさの違いはどんなところで実感しますか?

岡野:やっぱりキッチンは使いやすくなりましたね。半個室の壁付けだったものをオープンなカウンターキッチンに変えたので、使い勝手だけでなくダイニングやリビングとの一体感も出て快適です。あとは本棚側からもキッチンへ回り込めるので、ゴミを捨てる時に便利だなと感じています。妻がキッチンで料理をしていても邪魔することないし。

生活の導線がより快適になったのですね。ちなみに、今は開放的で明るいお部屋という印象ですが元からこんなに明るかったのでしょうか?

岡野:リノベーション前もすごく暗いというわけではありませんでしたが、南側バルコニーには和室とリビングがそれぞれ面していたので、リビングには窓が1つだけでした。リノベーションで間取りを大きく変えたことで全体的にすごく明るくなったと思いますし、バルコニーと部屋が繋がっているように感じられるからか、前よりも外に出るようになりました。最近はお風呂上がりにバルコニーでビールを飲んだり、遠くに見える夜の首都高をぼーっと眺めたりしています。

リビングにある壁掛けのテレビはどうですか?

岡野:首振りをできるようにしたので、見る場所によって角度を変えられて便利ですよ。その日の気分によってソファの配置もときどき変えているので。それに、テレビの配線を壁内にしまってすっきり見えるようにしたのも正解でした。

リノベーションはこれからも続いていく

リビング

▷室内窓の高さは、ソファに座ったときにガラスに当たらないちょうどいい高さに設定した

息子さんの成長をキッカケにリノベーションを行ってますが、今後何かやりたいことや考えていることはありますか?

岡野:息子が一人暮らしをすることになったら、将来は子ども部屋を僕か妻どちらかの寝室にするのかなと思いますけど、状況に合わせて使い方を考えていければ良いですかね。あとはリビングか玄関にけんすい棒を付けたいなと思ってます。室内干しも兼ねてだけど、運動しなきゃなって(笑)。玄関にはちょっとした棚が設けられるように下地も入れてあるので、棚が増えるかもしれませんし、壁に絵を飾りたいなと思ってます。これからもDIYは色々やるでしょうね。

絵はどの場所に飾るか決めていますか?

玄関収納

▷玄関収納はオープン棚。奥行きが見える分広く感じられる

洗面台

▷洗面台は浮かせることで床の奥行きが見え、広く感じられる

岡野:まだ絵を持ってないのではっきりとは決めていないですが、本棚の近くの壁に絵を飾って、ギャラリーみたいな感じにしたいですね。廊下を「ただの通路」とは違った印象のスペースにしようと考えています。

数年後にはまた違った雰囲気のお宅になっていそうですね。今後の変化も楽しみにしています。本日はありがとうございました!

まとめ

ベッドルーム

▷寝室は、リビング側から室内窓を通じて南の光と窓からの西日が入り一日中明るい。

寝室の内窓には明るさを調節できるプリーツスクリーンを設置したり、よく出るようになったというバルコニーには風よけのネットを取り付けたりと、リノベ後も「暮らしやすい家づくり」に対する探求を続けている様子が伝わってきました。5年後、10年後の岡野邸はどう変化していくのでしょうか。またご自宅へ伺える日を楽しみにしています!


↓ スタッフ岡野邸の画像をまとめてご覧になりたい方はこちらから(Pinterestのサイトへ移動します。)

— Before After 平面図

“Okanotei_zumen

MEDIA

マンションリノベスタイルブック
BEST48(扶桑社)

2020年10月
で紹介されました。
relife+(扶桑社)
Vol.36
「リノベのプロの自邸公開!「暮らし」をトコトン追求した間取りの家」で紹介されました。
マンションリノベスタイルブック表紙
 relife36表紙

okanoの自宅リノベ実況レポ

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